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2021年04月28日  - No.16 - 3

2021年クールモア・オーストラリアの種付料(オーストラリア)[生産]


 クールモア・オーストラリア(NSW州ジェリーズプレインズ)において、大出世を果たした大評判の種牡馬ウートンバセットと2歳時にG1・2勝を達成したキングズレガシーは、シャトル種牡馬としてそれぞれ種付料を7万1,500豪ドル(約608万円)と3万3,000豪ドル(約281万円)とし、南半球での初の種付シーズンに臨む。

 ジョージライダーS(G1)優勝馬シンクイットオーバーをはじめ、今シーズンにステークス勝馬11頭を送り出しているソーユーシンクは昨年豪州で最も活躍した種牡馬となり、2021年の種付料は昨年から倍増して7万7,000豪ドル(約655万円)となる。一方、ピエロの種付料はわずかに減額されて11万豪ドル(約935万円)となる。

 現役時代に最優秀3歳牡馬と最優秀スプリンターに輝いたファストネットロックは、今シーズンに送り出したステークス勝馬17頭のうちの3頭が南半球産のG1馬だが、種付料は16万5,000豪ドル(約1,403万円)のままで変わらない。

 クールモアは昨年、フランスのエトレアム牧場からウートンバセット(父イフラージ)を購買し、アイルランドでの供用1年目の種付料を10万ユーロ(約1,300万円)とした。

 クールモアの幹部は、ウートンバセットを豪州にシャトルするという重大な決断を下した。クールモア・オーストラリアのセリ&種付権利担当マネージャーのコルム・サントリー氏は、この数週間に生産者から"ウートンバセットに繁殖牝馬を送りたい"というリクエストが殺到していたとし、こう語った。

 「イングリス社イースター1歳セールに先立ち、ウートンバセットがシャトルされることを発表したところ、信じられないほど歓迎されました」。

 「ウートンバセットの種付予約はすでにいっぱいになっており、数々の優良繁殖牝馬に種付けする予定です。統計的に見ても彼は素晴らしい種牡馬であり、このような優秀な種牡馬を豪州にシャトルすることは、マグニア家が豪州の生産界に大きな信頼を示している証となります」。

 「ウートンバセットはアイルランドでは15万5,000豪ドル(約1,318万円)に相当する種付料で供用されており、数々のG1馬を送り出している実績のある種牡馬をこのような種付料で利用することは大変価値のあることです」。

 キングズレガシー(父リダウツチョイス)はマジックミリオン社のセリにおいて、ジェームズ・ハロン・ブラッドストック・コルツ・シンジケートにより140万豪ドル(約1億1,900万円)で購買された。 同馬はBJマクラクランS(G3 イーグルファーム)での勝利を皮切りに、ATCサイアーズプロデュースS(G1 ランドウィック)とATCシャンペンS(G1 ランドウィック)を制してG1・2勝を達成するなど、輝かしい2歳シーズンを送り、高額な購買価格を正当化した。

 現在は種牡馬を引退しているノットアシングルダウトを近親とする血統であるため、クールモアはキングズレガシーがATCサイアーズプロデュースSで優勝した後にその種付権利を獲得するための交渉に入った。

 サントリー氏はこう語った。「リダウツチョイスは史上最も偉大な豪州産種牡馬の1頭であり、おそらくその父であるデインヒル以来の最高の種牡馬です」。

 「キングズレガシーは、素晴らしい見映え・種牡馬としての血統・2歳時の優秀な競走成績の組合せにより、将来有望な種牡馬として熱望の的となっています」。

 「私たちのチームは、生産者の投資に対して大きな利益をもたらすような種付料が設定されたと考えています」。

 「私たちは皆、1歳馬セールでの"タイプ"の重要性を心得ています。キングズレガシーは、自らの1歳馬セールの価格に反映されたような素晴らしい見本のような馬体をしています」。

 サントリー氏は、昨年261頭に種付けしたソーユーシンクは"間違いなく豪州で最高の種牡馬の1頭に成長した"と述べ、こう続けた。

 「ソーユーシンクは信じられないほど素晴らしいシーズンを送りました。競走では豪州でステークス勝馬11頭と重賞勝馬8頭を送り出し、セリでは1歳セールでその産駒が100万豪ドル(約8,500万円)、90万豪ドル(約7,650万円)、80万豪ドル(約6,800万円)で購買されました」。

 「今シーズンに1200m~3200mの競走距離で重賞勝馬を送り出すなど、実に汎用性の高い種牡馬です。そして今も大型の良血馬を多数送り込んでいることから、今後もますます活躍していくでしょう」。

 ジャスティファイ[5万5,000豪ドル(約468万円)]とサクソンウォリアー[1万3,750豪ドル(約117万円)]も南半球での供用3年目を過ごすために豪州に戻る。

 サントリー氏はこう語った。「ジャスティファイが供用1~2年目に前例のないほど質の高い繁殖牝馬に種付けしたことはよく知られています。彼の最初の当歳馬には目を見張るものがあります」。

 「今度のイングリス社とマジックミリオンズ社の当歳セールでも、多くの良質な産駒が上場されることで、ジャスティファイは注目されています」。

 「若いジャスティファイは、この2年間豪州においてまず間違いなく最高級の繁殖牝馬に種付けをしてきました。そうした経緯から供用3年目となる本年は、生産者が投資を回収する絶好の機会となるでしょう」。

 アメリカンファラオ[4万9,500豪ドル(約421万円)]、チャーチル[2万2,000豪ドル(約187万円)]、マグナグレシア [1万9,250豪ドル(約164万円)]、カリックス[1万3,750豪ドル(約117万円)]もクールモア・オーストラリアにシャトルされる。

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By Tim Rowe of ANZ Bloodstock News 

(1豪ドル=約85円、1ユーロ=約130円)

 (関連記事)海外競馬情報 2020年No.8「クールモア、前途有望な種牡馬ウートンバセットを購買(フランス)」、No.11「2021年クールモアの種付料(アイルランド)」、海外競馬ニュース 2021年No.9「2020年の最多種付頭数はソーユーシンクの261頭(オーストラリア)

[Racing Post 2021年4月26日「Fully booked Wootton Bassett to stand for A$71,500 as Coolmore releases fees」]


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