国際的な種牡馬オーペンが25歳で死亡(国際)[生産]
ターフ・ディアリオ(Turf Diario)によれば、国際的に重要な種牡馬オーペン(25歳)は1月26日、疝痛の緊急手術を受けたが回復せずに死んだ。
オーペン(父ルアー)はケイトム社(Katom)により生産され、母はボニータフランシータ(Bonita Francita 父デヴィルズバッグ)。1996年キーンランド11月繁殖セールにおいて、BBAアイルランドにより52万5,000ドル(約5,513万円)で落札された。その年はオーペンの半兄ジュールズ(Jules 父フォーティナイナー)がデビュー戦を制して2戦目のカウディンS(G2)で2着となっており、その後ナシュアS(G3)を制覇した。
最終的にスーザン・マグニア氏に所有され、エイダン・オブライエン調教師に管理されたオーペンはデビュー戦を勝利で飾り、2戦目となったモルニー賞(G1 ドーヴィル)を制してG1馬になった。しかし3歳シーズンに好成績を残すことができず、6戦したあとに引退した。獲得賞金は16万9,008ドル(約1,775万円)。
オーペンはその血統から、有望種牡馬と見なされた。母ボニータフランシータとその娘は数々のステークス勝馬を送り出しており、その中にはG1馬ブルーマンバ(Bluemamba)やステークス勝馬のジュールズ、エタービーパーク(Etterby Park)、フリーワールド(Free World)、グレートウォリアー(Great Warrior)が含まれる。またオーペンの2代母レイズザスタンダード(Raise the Standard)は名種牡馬ノーザンダンサーの半妹である。
オーペンはアイルランドで種牡馬入りし、4年間は南半球の繁殖シーズンに豪州に送られたが、その後は南米にシャトルされることになった。半兄ジュールズは種牡馬として南米のサンタマリア・デ・アララス牧場(Haras Santa Maria de Araras)で成功し、ブラジルの2002-03年競馬シーズンにリーディングサイアーになったが、2003年に死んでいた。
ケンタッキー州レキシントンを拠点とするサンタエスコラスティカ(Santa Escolastica)のオーナー、ホセ・デカマルゴ(Jose DeCamargo)氏は、オーペンについて2004年から3年間の賃貸契約を交わし、最初はアルゼンチンのアロヤデルナ牧場(Haras Arroya de Luna)で供用した。オーペンはアルゼンチンの生産者にすぐに受け入れられた。
デカマルゴ氏は、「とても見栄えの良い馬だったので、アルゼンチンの生産者は彼のことを気に入りました。信頼して最高の牝馬を送り、最初の年に130の種付権利が売れました」と振り返った。
その後まもなくして、デカマルゴ氏はラプロビデンシア牧場(La Providencia)とともにクールモアからオーペンを購買した。オーペンにはシンジケートが組まれ、カランパンゲ牧場(Haras Carampangue)で供用されることになった。そしてアルゼンチンとフランスの間を行き来し続け、16年にわたって北半球と南半球の両方で種付けを行った。
世界では18世代のオーペン産駒が競走年齢に達している。そのうちブラックタイプ勝馬は112頭であり、その中には重賞勝馬が67頭含まれる。また12頭の産駒が、アルゼンチン・ペルー・サウジアラビア・シンガポール・スロバキア・南アフリカ・スペイン・トルコの8ヵ国で最優秀馬に選出されている。そしてイタリアでは4頭、フランスでは1頭の産駒が最高レーティングを獲得している。
デカマルゴ氏は、「出走するオーペン産駒は多くの注目を集めました。オーペンは世界中で素晴らしい産駒を送り出しました」と述べた。
オーペンはG1馬21頭を送り出した。アルゼンチンだけでオーペン産駒はG1・24勝を挙げ、2011年から2014年まで毎年、最優秀馬に輝いた。種牡馬となったオーペン産駒リンゴーテデオロ(Lingote de Oro)は2011年にアルゼンチンの年度代表馬、最優秀古馬、最優秀長距離馬に選ばれた。
最近出走した優秀なオーペン産駒の1頭ピンボールウィザードは昨秋、コパデオロ大賞(G1 サンイシドロ)とヘネラルサンマルティン大賞(G1 パレルモ)で優勝した。
ターフ・ディアリオは、オーペンは高齢になってからも活動的で生殖能力が強く、昨年は100頭に種付けを行い、80頭が受胎したと伝えた。
(訳注:オーペンはサトノダイヤモンドの母父である)。
By Eric Mitchell
(1ドル=約105円)