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2021年10月28日  - No.40 - 1

オブライエン調教師、ルクセンブルクでフューチュリティTの10勝目達成(イギリス)[その他]


 エイダン・オブライエン調教師はルクセンブルクがフューチュリティトロフィーS(G1)で優勝して大きな期待に応えたとき、故サー・ヘンリー・セシル調教師が打ち立てたこのレースの最多勝記録に並んだ。そして、あの名伯楽特有の冷静な態度をお手本とした。

 ルクセンブルクは、オブライエン調教師にとって英国平地シーズン最後のG1、フューチュリティトロフィーSを制した10頭目の馬となった。それも堂々とした勝ちっぷりだった。パディパワー社によると、同馬は来年の英ダービー(G1)でのオッズが7倍から5倍となり1番人気に推されており、英2000ギニー(G1)でもそのオッズは9倍から7倍に下がっている。

 1997年にサラトガスプリングスでこのレースを初優勝して以来、支配的な強さを見せてきたオブライエン調教師にとって、今シーズンは全体的に成功したとは言えなかった。今季は2歳G1を制しておらず、英国での獲得賞金額もパンデミック前の水準にまで落ち込んでいた。

 しかし、オブライエン調教師と同じ24年の歳月をかけてフューチュリティトロフィーS 10勝を達成したサー・ヘンリーはむだ口を叩かず、競馬場での不運を嘆くようなことは決してしなかった。毎回勝てるわけではないのだ。

 サー・ヘンリーの最多勝記録に並んだオブライエン調教師は、バリードイル(クールモアの調教拠点)の英オークス馬スノーフォールやセントマークスバシリカが輝かしい活躍をした今シーズンのプラス面を熱心に強調した。

 「今年はとても満足しています。誰かが教えてくれたのですが、今回の勝利は私たちにとって今シーズンのG1・18勝目で、クラシックは7勝しています。多くのレースで負け、いくつかのレースで勝ちましたが、それはしかたのないことです。巡り巡って、誰もが生きていかなければならず、誰もが少しずつ恩恵を受けなければなりません。それを少し手にしたときの喜びはひとしおです」。

 「それらの一つ一つを手にするために懸命に努力していますが、たいていの場合、勝つことができずに家に帰ることになります。それを受け入れ、前進し、失敗から学ばなければなりません。今年は馬の管理にミスがあったかもしれませんし、おそらくレース選びを誤ったのかもしれず、馬にがっかりさせられることも、びっくりさせられることもありました」。

 「多くのものが我々ではなく他の人々の手に渡りましたが、それはしかたのないことです。それを受け入れなければなりません。少しでも手に入れられたことに満足しています」。

 オブライエン調教師は今年のハイライトを聞かれてこう語った。「エプソムでのスノーフォールは格別でしたが、やはりセントマークスバシリカでなければなりません。ガリレオ以来、彼のような馬はいませんでした。今後も彼のような馬は出てこないかもしれません。彼に出会えてとてもラッキーでした」。

 ルクセンブルクに出会えたことも幸運だった。1歳のときに15万ギニー(約2,441万円)で購買されたこの馬は、バリードイルにとって2021年の英国のG1・7勝目をもたらした。フューチュリティトロフィーSでオッズ1.67倍の1番人気に推され、ライアン・ムーア騎手を背に1¾馬身差の勝利を決めて期待にこたえた。

 「ルクセンブルクはいつもとてもワクワクさせてくれる馬です。最初の日から何をやってもそうだったのです。大きな馬で、とてもよく走るし、すべてがうまくいっているように見えますね。今日は最後の1ハロンで体を低くしてストライドを伸ばさなければならなかったですが、実際のところ彼もよくやったと思います」。

 「先頭に立ったときはとても幼いように見えましたが、素晴らしい馬です。彼の走りっぷりに満足しないといけません」。

 過去4年間のフューチュリティトロフィーS優勝馬は英2000ギニーか愛2000ギニー(G1)を制しており、オブライエン調教師はそのテストに耐えられるスピードがルクセンブルクには備わっていることを確信している。

 「ルクセンブルクにはあふれんばかりの才能と抜群のスピードがあります。カラで最後に勝った日、ラスト3ハロン(約600m)はその日施行されたすべてのスプリント戦よりも速かったと言われました」。

 「大きなストライドで走りますが、それは優良馬が備えているものです。優れたアスリートは、人間もそうですが、最も広い地面をカバーしますよね」。

 ムーア騎手は、「彼は本当にスマートな馬で、とても巧みです。彼のレースぶりに満足していますし、これからが楽しみなエキサイティングな馬です。これ以上ないほどスムーズに行きました。これからもっと進化していくでしょう」と語った。

 昨年のフューチュリティトロフィーSで5着だったステートオブレスト(State Of Rest)の前夜のコックスプレート(G1)での優勝は、このレースの出走馬の質の高さを示している。ウェイン・ローダン騎手はコンビを組んだシソコ(Sissoko ドナカ・オブライエン厩舎)が2着に入ったことに満足していた。

 「シソコは3歳になればもっと良くなるだろうと思います。来年に望みを抱いて冬を迎えるには、とても良い走りができたと思います」。

 ロジャー・ヴェリアン調教師はさらに短頭差の3着となったベイサイドボーイ(Bayside Boy)の目標を英2000ギニーに定めており、こう語った。「ベイサイドボーイはちょっとアンラッキーでしたね。必要なときにスペースが開かなかったのです。それで勝てなかったとは思いませんが、クリアな走りができていれば2着に健闘していたでしょうね。冬を過ごさせた後、英2000ギニーを目指します。それにふさわしい馬だからです」。

 ハンニバルバルカ(Hannibal Barca)はさらに頭差の4着に入った。ブライアン・ミーハン調教師はこう語った。「素晴らしい走りでした。まだ3走目だったのですよ。来年にはクレイヴンS(G3)に出走させることもできます。それに向いた馬です。とても良い馬体になってきています。来年はG1級の馬になることは間違いありません」。

By David Carr

(1ポンド=約155円)

[Racing Post 2021年10月23日「Aidan O'Brien equals Vertem Futurity record with 'very exciting' Luxembourg」]

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