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海外競馬ニュース
2021年11月25日  - No.44 - 3

ホレンドーファー調教師、ひきつづきサンタアニタ競馬場に出入り禁止(アメリカ)[その他]


 カリフォルニア州の裁判所は11月19日、殿堂入りトレーナーであるジェリー・ホレンドーファー調教師(75歳)による仮差止処分請求を却下した。その仮処分は、「サンタアニタパーク競馬場とゴールデンゲートフィールズ競馬場のオーナーであるストロナックグループ(TSG)によって同調教師が不当に出入りを禁止されている」と申し立てる民事訴訟が解決するまでの間、両競馬場で同調教師の管理馬を出走させることを許可するという内容だった。

 カリフォルニア州ロサンゼルス郡上位裁判所の判決では、「サンタアニタ開催(12月26日に開始)の前にこのような請求を起こさないとホレンドーファー氏が回復不能の損失を被るとは考えられない」として仮処分請求を却下した。なお、この裁判は2月中旬に開始予定とされている。

 裁判所はこう述べている。「原告(ホレンドーファー氏)は、"サンタアニタの今度の2021-22年冬春開催が自らの職・評判・苦難の末に勝ち取った信用を救い出す最後のチャンスになりそうだ"と主張しています。しかし原告は2019年6月からサンタアニタへの出入りを禁止されています。この訴訟は2年以上前から係争中で、2022年2月14日に裁判が行われる予定です」。

 「原告は2021年9月29日になってようやく、サンタアニタで管理馬の出走を許可する仮処分を求めて申立てを行いました。原告の仮処分請求が遅れたことは、回復不能な損害を回避するために暫定的な救助が必要であるという原告の主張を弱めるものです」。

 裁判所は、ホレンドーファー氏が訴訟を通じてあらゆる損害賠償を請求できると指摘している。

 「原告は、生計を立てられず顧客を失ってしまい、サンタアニタ特有のレースに馬を出走させることを阻止されると断言しています。当裁判所は原告が勝訴した場合、訴訟結果に基づく金銭的損害賠償と宣言的救済を通じて原告の被害に対処できないとは考えていません」。

 2019年の初めにストロナックグループ(TSG)所有のサンタアニタとゴールデンゲートでホレンドーファー氏の管理馬が相次いで予後不良となったことをうけ、同氏はTSG所有の競馬場で調教とレースのために馬を走らせることを禁止されていた(訳注:2019年12月26日~2020年6月23日のサンタアニタ開催において30頭が予後不良となり、そのうちホレンドーファー調教師の管理馬は4頭だった)。

 すでに2019年10月にはロサンゼルスの裁判官が、「訴訟中にホレンドーファー氏がサンタアニタで管理馬を出走させることを許可する」という同氏による一時的な仮処分の請求を却下していた。その請求は同氏が夏にデルマー競馬場に馬を出走させることを認める仮処分を勝ち取ったことを受けて行われたものである(デルマーは当初、サンタアニタの先例に倣って同氏の参加を禁止していた)。2019年9月には、アラメダ郡の裁判官によってゴールデンゲートで管理馬を出走させることを認める一時的な仮処分が却下された。

 ホレンドーファー氏は仮処分を請求するにあたり申請書の中で、TSGに追放される前には約120頭を管理していたが現在は厩舎に38頭ほどしかいないと述べている。また過去10年間において、サンタアニタで管理馬を出走させたり調教している他の調教師たちに比べて出走馬1頭あたりの予後不良事故率は低いと主張している。さらに、「事前の通知」、「議論」、「その事実的根拠・目的・理由の特定」がなく、「自己弁護の機会」を与えられずに追放されたと申し立てている。

 TSGの弁護士たちは法的文書の中で自身らの行動が正当だったと記し、ホレンドーファー氏は2019年6月に一度、そして同年9月に弁護士が代理を務めた際にもう一度、合計2回、自己弁護の機会が与えられていたと主張している。

By Frank Angst

[bloodhorse.com 2021年11月19日「Court Decision Keeps Hollendorfer Out at Santa Anita」]

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