木村和士騎手、カナダのリーディングジョッキーに輝く(カナダ)[その他]
木村和士騎手はウッドバイン開催で138勝目を挙げ、日本出身の騎手として初めてウッドバインのリーディングジョッキーに輝いた。同騎手の騎乗馬は賞金636万203カナダドル(約5億7,242万円)を獲得した。
22歳の木村騎手はこう語った。「特別な達成感があります。夢のひとつでもありました。誰もがリーディングジョッキーになりたいと思っているのですが、簡単なことではありません。このタイトルを手に入れるには、優れた騎乗技術、優秀な馬、そしてシーズンをつうじた調教師や馬主からの十分なサポートが必要です。今年は自分でも成長したと思いますし、調教師や馬主から素晴らしい支援を受けました。タイトル獲得につながったそのサポートにとても感謝しています」。
北海道生まれの木村騎手は2018年、19歳の見習騎手としてウッドバイン所属の騎手たちの仲間入りを果たし、強烈な第一印象を残した。そこでの1年目のシーズンを、89勝を挙げて6位で終えたのだ。彼の騎乗馬は合計230万カナダドル(約2億700万円)以上の賞金を獲得した。初勝利は単勝71倍の穴馬トルネードキャットに騎乗したときに果たしたもので、ステークス初勝利は2018年マスコーカSでスピーディーソウルに騎乗したときに挙げた。2019年の北米最優秀見習騎手としてエクリプス賞を受賞した木村騎手は、2018年と2019年にカナダ最優秀見習騎手としてソブリン賞を受賞した。
木村騎手は今年、トロントのウッドバイン競馬場で8つのステークス競走を制している。その中には、コレリ(Corelli)で制したシングスピールS(芝G3)、アワーシークレットエージェント(Our Secret Agent)で制したヘンドリーS(G3)、フロスティッドオーバー(Frosted Over)で制したオンタリオダービー(G3)、スウィンギングマンディ(Swinging Mandy)で制したヴィクトリアンクイーンSが含まれる。
トレーナーズランキングではマーク・キャシー調教師が110勝を挙げて13回目のトップに立った。マーティン・ドレクスラー調教師が56勝で2位、ケビン・アタード調教師が55勝で3位となった。獲得賞金ではキャシー調教師が818万9,186カナダドル(約7億3,703万円)を獲得してトップに立ち、アタード調教師とジョシー・キャロル調教師がそれに続いた。
ウッドバインでステークス競走27勝を挙げて、2位の調教師に19勝もの差をつけたキャシー調教師にとって、今シーズンは多くのハイライトがあった。
カナダでも米国でも殿堂入りを果たしているキャシー調教師は、生涯3,226勝を挙げており、2021年のシーズン、ウッドバイン、そしてその先を見据えてワクワクする理由がたくさんある。
「私たちはトロントだけでなく世界中で、本当に素晴らしい年を過ごしました。グレイS(G3)とカップアンドソーサーSを制したゴッドオブラブ(God of Love)、マザリンS(G3)を制したミセスバーバラ(Mrs. Barbara)、そしてゴールデングライダー(Golden Glider)など、若くて優秀な馬がたくさんいるのでとても楽しみにしています。12月4日にウッドバインで出走させたサーフォーシュア(Sir for Sure)は未勝利ですが、とてもいい馬です。来年彼の活躍を見るのが楽しみです」。
キャシー調教師は成功したシーズンになるといつから分かっていたのだろうか?
「知る由もありません。ポーカーをするギャンブラーのようなものです。テーブルに座っているときには自分のお金を数えたことがありません」。
また同調教師はウッドバインにいるチームを大いに賞賛した。「私たちのところには、長年にわたって働いてくれている素晴らしい人たちがいます。とても献身的で、来る日も来る日も仕事に情熱を傾けています。多くの人は知らないかもしれませんが、私たちのスタッフはすべてカナダ人です。今年はスタートが遅かったので全員にとって試練の年でしたが、馬が確実に仕上がるようにしてきました」。
キャシー調教師は2022年のウッドバインの競馬シーズンが通常の状態に戻ることを期待している。
「私たちはウッドバインに合わせて競馬シーズンを送っています。もちろん、さまざまな競馬場で馬を出走させていますが、何年もかけて馬だけではなく馬主についても強力なカナダのグループを作り上げてきました。彼らは自らの所有馬を見て、競馬場に出かけて、レースを楽しみたいと思っています。そのため2022年には、みんなが以前親しんでいたような年を楽しめるようになりたいと願っています」。
ここで新たな競馬シーズンが始まる前に、カナダで最優秀調教師としてソブリン賞を13回受賞しているキャシー調教師は、自らのウッドバインへの愛着を認めている。
「どこに行っても、ウッドバインと私の名前は密接に関連しているようです。それは私がとても誇りに思っていることでもあります」。
ゲイリー・バーバー氏は3年連続でリーディングオーナー(獲得賞金別)となり、ライブオークプランテーション(Live Oak Plantation)とアイヴァン・ダロス氏がそれに続いた。
By Blood-Horse Staff
(1カナダドル=約90円)
[bloodhorse.com 2021年12月6日「Kazushi Kimura Earns First Woodbine Jockey Title」]