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海外競馬ニュース
2021年12月16日  - No.47 - 1

香港国際競走で日本のラヴズオンリーユーとグローリーヴェイズが優勝(香港)[その他]


 香港国際競走(12月12日 シャティン)で日本は勝利の半分を持ち去った。BCフィリー&メアターフ(G1)優勝馬ラヴズオンリーユーがラストランでスリリングな勝利を収め、グローリーヴェイズが長距離戦で2勝目を達成した。

 これらの勝利はスプリント戦での日本勢の敗北を大いに慰めるものであり、快進撃を続けて地元のレコードを更新した香港のレジェンド、ゴールデンシックスティへの敬意の表明にふさわしいものとなった。

 全体的に、日本勢がまたもや遠征を成功させたことは明らかだった。この日は香港の厳格なコロナ対策の結果、レースに馬と人を送り込むことだけで大勝利と言えた。

 G1・4レースのうち最後の1戦である香港カップ(G1)に出走するラヴズオンリーユー(牝5歳 父ディープインパクト)が日本の大きな期待を背負っていた。DMMドリームクラブが所有する同馬は前走のBCフィリー&メアターフ(デルマー)を制したことで、大本命に推されていた。3月にはドバイシーマクラシック(G1 メイダン)でミシュリフ、クロノジェネシスに次ぐ3着に入り、4月にはクイーンエリザベス2世カップ(G1 シャティン)でグローリーヴェイズを破って優勝していた。

 ラヴズオンリーユーは川田将雅騎手を背に、香港カップ(2000m)の最後の200mでファンをハラハラさせた。

 内目の4~5番手でレースを進めた後、川田騎手は決勝線が視界に入って抜け出すスペースを必要としていたときに、もう1頭の日本馬ヒシイグアスが地元の期待馬ロシアンエンペラーを抜いて先頭に立とうとしているのを見た。それらのライバルの間にすばやく入り込むようにラヴズオンリーユーを促し、彼女は残り50mでそれに応え、ヒシイグアスに短首差をつけて優勝した。ロシアンエンペラーはその後ろの3着となった。芝の良馬場で行われたこのレースの走破タイムは2分00秒66。

 ほかの外国勢では、ドバイオナー(ウィリアム・ハガス厩舎)は4着、ボリショイバレエ(エイダン・オブライエン厩舎)は序盤にリードを取っていたものの勢いをなくして9着、マックスウィニー(ジム・ボルジャー厩舎)は終盤に減速して最下位の12着となった。

 デルマーでもラヴズオンリーユーとともに勝利を挙げた川田騎手は、「彼女はゲートをうまく出てくれました。少し遅いペースでしたが、リラックスしていて、良いポジションを取ることができました。彼女は私に2つ大きなプレゼントをくれました。これまで乗った中で最高の牝馬です。素晴らしい母親になることを望んでいます」と語った。

 この勝利は矢作芳人調教師にとって驚くべき年の最後を飾った。ラヴズオンリーユーの快挙に加え、BCディスタフ(G1)においてマルシュロレーヌが単勝51倍の大勝利を収め、ジャパンカップ(G1)においてコントレイルがキャリアの集大成となる勝利を収めている。

 矢作調教師は香港のレースを日本で観戦していたが、岡勇策調教助手は、繁殖牝馬としてのラヴズオンリーユーの将来と香港競馬における矢作厩舎の将来に自信を持っていた。

 「彼女は良い血統に恵まれているので、次のキャリアが楽しみです。それに、矢作厩舎にはたくさんの優良馬がいるので、将来彼らとともに香港に戻ってきたいと思っています」。

 もちろんそのような自信を持ってもいいだろう。日本は過去7年で香港カップを5勝しており、昨年と今年の香港国際競走の全8レースのうち4レースを制しているのだから(訳注:2020年は香港スプリントをダノンスマッシュ、香港カップをノームコアで制した)。

 ラヴズオンリーユーが"良血"であるのは、父がディープインパクト(父サンデーサイレンス)であるだけでなく母がラヴズオンリーミー(父ストームキャット)だからである。ラヴズオンリーミーは2009年キーンランド11月繁殖セールにレーンズエンドにより上場され、吉田勝己氏により90万ドル(約1億350万円)で購買された。ラヴズオンリーユーは2017年JRHAセレクトセールにノーザンファームにより上場され、現在の馬主により1億6,000万円で購買された。

 グローリーヴェイズもラヴズオンリーユーと同様に、G1・4レースの中で最も長距離の香港ヴァーズ(2400m)でその勝負が最後までもつれこんだ。

 シルクレーシングのグローリーヴェイズ(牡6歳 父ディープインパクト 尾関知人厩舎)は、香港を拠点とするジョアン・モレイラ騎手が鞍上で絶妙なタイミングをうかがっていたため、レースの大半を後方でひかえていた。大きく外を回って直線に入ったところで、コロネーションカップ(G1)優勝馬パイルドライヴァー(牡4歳)がスピードを上げて先頭に立った。

 グローリーヴェイズはグングンと進んで残り50mの地点で先頭に立ち、パイルドライヴァーに1馬身差をつけて優勝した。走破タイムは2分27秒07。アガ・カーン殿下のフランスを拠点とする自家生産馬エベイラ(牝4歳 父ディストーテッドヒューマー)は、さらに1½馬身後ろの3着となった。昨年の覇者モーグルは6着に敗れ、この日はクールモア勢にとって全体的に残念な日になった。

 モレイラ騎手は、「すべてが思っていたように進みました。スムーズな走りで、内ラチ沿いにポジションを取り、脚をためました。確実にクリアな状態で直線に入ることだけを考えていました。それに終盤ゴールに向けてすごい力を発揮する馬だと分かっていました。無敵でしたね」と語った。

 グローリーヴェイズはレイクヴィラファームにより生産され、母はメジロツボネ(父スウェプトオーヴァーボード)である。2016年JRHAセレクトセールに生産者により上場され、シルクホースクラブにより5,200万円で購買された。

 グローリーヴェイズは2021年に3戦していて、クイーンエリザベス2世カップではラヴズオンリーユーの2着となったが、勝利はなかった。2019年には香港ヴァーズの1勝目を果たしていた。

By Bob Kieckhefer

(1ドル=約115円)

[bloodhorse.com 2021年12月12日「Loves Only You, Glory Vase Score for Japan in Hong Kong」]

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