ニューヨーク州、1月8日からモバイルスポーツ賭事が開始(アメリカ)[開催・運営]
ニューヨーク州のモバイルスポーツ賭事は、州当局が認可賭事業者9社のうち4社に対してゴーサインを出したことを受け、1月8日から開始される。
プロスポーツや州外の大学の試合に対する賭けは1月8日午前9時以降に受付可能になると、州のゲーミング委員会は1月6日に発表した。同委員会は、現在のところ認可賭事業者のうち4社(シーザーズ・スポーツブック社、ドラフトキングス社、ファンデュエル社、ラッシュストリート・インタラクティブ社)が最終的な"法令および規制上の要件"を満たしていると述べた。
昨年の春に州知事と州議員によって根拠法が制定されたことを受け、ゲーミング委員会は秋にモバイルスポーツ賭事を提供する賭事業者9社を承認した。これによりニューヨーク州は米国最大の合法モバイルスポーツ賭事市場となる。他州に比べて税率が高いものの10億ドル(約1,150億円)規模の市場になると、州の当局者は予測している。
上院の競馬・賭事委員会の議長を務めるジョセフ・アダボ上院議員(民主党・クイーンズ区選出)は、モバイルスポーツ賭事の開始を「歳入、教育・依存症対策・青少年スポーツへの新たな資金提供、そして新たな雇用という点で、ニューヨークにとって素晴らしいニュースです」 と評している。
ニューヨーク州は、モバイルスポーツ賭事の税収がやがて年間5億ドル(約575億円)に上るだろうと考えている。
州当局は昨秋、2月のスーパーボウルまでにモバイルスポーツ賭事が運営されるかもしれないとの希望を抱いていたが確信はなかった。アダボ議員は、キャシー・ホークル新知事の政権がNFLのプレーオフ開始前にプログラムを稼働させたことを賞賛した。
アダボ議員は1月6日、サラブレッド競馬への直接賭事のためにスポーツ賭事業者と契約を結ぶことをNYRAとフィンガーレイクス競馬場に許可する法案を進めると主張した。
11月19日に同議員はこの法案を提出し、12月13日に競馬委員会の議長であるゲイリー・プレトロー下院議員(民主党・ウエストチェスター郡選出)が議会で取り上げていた。
ニューヨーク州の新法では競馬への直接賭事は認められていないが、賭事客がモバイルスポーツ賭事のプラットフォームの1つに預けている資金を使える"シェアード・ウォレット"システムであれば、たとえばNYRAベッツプログラムなどを通じて競馬に賭事を行うことができる。この"シェアード・ウォレット"はクレジットカードの処理に関する技術的問題のためにまだ利用できないが、NYRAの関係者はこの問題がまもなく解決されることを期待している。
NYRAのスポークスマンであるパトリック・マッケンナ氏はこう語った。「モバイルスポーツ賭事市場に競馬のコンテンツと賭事が存在できるようにすることで、ニューヨーク州の競馬は発展し、競馬産業の経済効果が深まり、新しいファンも獲得できるでしょう。この法案が承認されれば、顧客の選択肢が広がり、競馬産業がモバイルスポーツ賭事の恩恵を享受する大きなチャンスとなります」。
この新たなモバイルスポーツ賭事は固定オッズ賭事しか認めていないので、アダボ議員とプレトロー議員の法案が成立することになれば、モバイルスポーツ賭事プログラムを通じた競馬賭事はパリミューチュエル制度に基づかないことになる。
またこの法案では、モバイルスポーツ賭事業者が場外馬券発売所(OTB)、スポーツ競技場、競馬場、アケダクトVLTカジノ(ビデオロッタリーターミナルを設置したカジノ)のような場所にスポーツ賭事キオスクを設置する"アフィリエイト契約"を締結することが認められる。
1月8日になれば、21歳以上の人々はニューヨーク州内のどこからでもさまざまな賭事形態でモバイルスポーツ賭事を行うことができる。
By Tom Precious
(1ドル=約115円)
[bloodhorse.com 2021年1月6日「Mobile Sports Wagering in New York Begins Jan. 8」]