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海外競馬ニュース
2022年04月21日  - No.15 - 2

新しい鞭使用ルールをめぐり騎手たちがスト決行(スカンジナビア)[開催・運営]


 騎手たちがストライキを決行することをただちに決定したことで、スカンジナビアの競馬開催は停止することになりそうだ。この争議は、馬を奮起させるための鞭使用を制限する新しいルールをめぐるものである。スウェーデン・デンマーク・ノルウェーの競馬統括機関は、安全上の理由以外での鞭使用を禁止することに合意している。

 このルールは騎手が馬のたてがみや首の上に手を置いたままにすることを要求している。シーズン開幕早々に施行されブローパーク競馬場(スウェーデン)とイエゲスロー競馬場(スウェーデン)での平地競走開催において勝利ジョッキーたちがこのルールに違反したために騎乗停止となり、早くも緊迫したムードが広がった。しかし、4月16日(土)にクランペンボー競馬場(デンマーク)で引火点に達することとなった。カルロス・ロペス騎手がルールに違反したとされ、1位入線したボリバールールズ(Bolivar Rules)が降着とされたのだ。

 この裁定が騎手・競馬関係者・馬券購入者からの怒り、そして"整合性がない"との苦情を引き起こしたと言われている。デンマークの競馬統括機関ダンスクギャロップ(Dansk Galop)は4月18日(月)夜にこの事態について謝罪する声明を出し、 "ルールをより透明なものにするために"スウェーデンとノルウェーの競馬統括機関と幹部会議を実施しようとしていると記した。

 どうやらスカンジナビアの騎手たちにとってこれでは物足りなかったようで、今週予定されているブローパーク競馬場、イエゲスロー競馬場、オーヴレヴォル競馬場(ノルウェー)での騎乗を拒否することが主張されている。スカンジナビアで最も優秀なジョッキーと言われるベテランのペルアンダース・グラバーグ(Per-Anders Graberg)騎手は19日(火)、彼らの意思の強さを言い表した。

 ある報道で引用されたグラバーグ騎手の発言は次のとおりである。「進むべき道がみつかるまで、現行ルールを撤回して、以前の鞭使用ルールで騎乗できるようになることを望みます」。

 「ルールが変更されなければ我々騎手は誰もブローパークでは乗らなくなり、オーヴレヴォルとイエゲスローでも同じことを続けることになるでしょう。同時に、私自身と騎手全員としては、特に馬主の方々に対してこのようなつまらない状況に陥ってしまったことを謝罪したいと思います。しかし現在は団結する必要があり、ご支援およびご理解を望んでいます」。

 ノルウェーではかなり前から奮起させるための鞭使用は禁止されていた。一方スウェーデンとデンマークでは、4月まで3歳以上の平地競走で騎手が鞭を3回まで使用することが許容されていた。

By Chris Cook

 (関連記事)海外競馬ニュース 2022年No.5「馬を奮起させるための鞭使用を禁止(スウェーデン)

[Racing Post 2022年4月19日「Whip rule controversy set to halt racing in Scandinavia as jockeys go on strike」]


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