海外競馬ニュース 軽種馬登録ニュース 海外競馬情報 統計データベース 海外競馬場・日程 世界の競馬および生産統計 海外競走登録 申請書類
血統書サービス 引退名馬
twitter FB
TOPページ > 海外競馬ニュース > ベリーエレガント、凱旋門賞を念頭にフランスに移籍(オーストラリア・フランス)[その他]
海外競馬ニュース
2022年05月19日  - No.17 - 1

ベリーエレガント、凱旋門賞を念頭にフランスに移籍(オーストラリア・フランス)[その他]


 フランシス・グラファール調教師は、メルボルンカップ(G1)優勝馬ベリーエレガントの馬主のスポーツマンシップと、豪州で同馬を手掛けたクリス・ウォラー調教師の素晴らしい仕事ぶりを賞賛している。ベリーエレガントが今シーズンはもっぱら欧州で出走するために、まもなくシャンティイのグラファール厩舎に移籍するという電撃的な発表がされたのだ。

 豪州でG1・11勝を達成しているベリーエレガント(牝6歳)の目標としてウォラー調教師は当初凱旋門賞(ロンシャン)を挙げていたが、最近では10月後半の英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(G1 アスコット)について言及していた。

 しかしベリーエレガントの馬主グループの代理としてウォラー氏が発表した声明では、豪州中距離・長距離部門の最強古馬であるベリーエレガントを欧州最高峰レースに出走させる夢がまだあることは明らかだった。"私たちの美しい牝馬にふさわしいプランはなにかをさらに考え続けた結果"、この決断が下されたというのだ。

 グラファール調教師は本紙(レーシングポスト紙)に対してこう語った。「馬主の方々のスポーツマンシップが感じられますね。競馬というスポーツと冒険のためにこの計画を試したいと考えておられるのです。この挑戦がいかに大変なものかを認識されており、どのように彼女を調教してどのレースを目標にするかについてはまったくの白紙状態で私に委ねてくださいました」。

 「彼女は重馬場を得意としているので助かります。それに早めに欧州入りするので、私と彼女がお互いに慣れる時間は十分にあります」。

 馬場と距離に関するベリーエレガントの適応性を考えれば、どのようなレースに出走させるかについてグラファール調教師は幅広い選択肢をもつことになるだろう。過去2シーズンにおいて、ベリーエレガントは1600m・2000m・2400m・3200mのG1競走を制している。しかし馬主グループが彼女を凱旋門賞に出走させるという夢を実現させるには、12万ユーロ(約1,620万円)の追加登録料を支払わなければならない。

 ベリーエレガントのキャリアを形成する上でウォラー調教師が果たした役割を心から評価しているグラファール調教師はこう語った。

 「この計画の裏には凱旋門賞に出走させるという考えがありますが、まだこれからいろんなことがあります。ただベリーエレガントに対して非の打ちどころのない仕事をしたクリス・ウォラー調教師から彼女を引き継ぐことで、彼が積み重ねてくれたものに基づいて仕事を進めることができるのだというふうに思っています」。

 「競走馬の調教拠点としては、シャンティイは世界一美しい場所です。豪州のファンがこの宝石を発見する絶好の機会となるでしょう」。

 ウォラー調教師はベリーエレガントを手掛けた年月を"名誉"と表現し、馬主グループの声明において、このような意欲的な方針転換を行った背景にある考えをこう説明している。

 「ベリーエレガントが世界屈指のステイヤーであると認識しています。しかしカップ競走(2400m以上)のほかも視野に入れたいのですが、国内での選択肢は限られています」。

 「熟慮の末、彼女を欧州で出走させたいと言うのであれば、きちんとした方法でそれを行うべきであり、北半球に送って調教して準備する必要があるという結論に達したのです」。

ベリーエレガントは欧州のどのレースを走るのだろうか?

 フランシス・グラファール調教師が新たに入厩するベリーエレガントについて知識を深める一方で、私たちはレーシングマネージャーのふりをしてベリーエレガントの出走計画を考えて楽しむことができる。

 馬主たちは10月2日の第101回凱旋門賞の発走前にロンシャンのパドックを訪れることを望んでいるだろう。そこから逆算すると、渡仏後に十分に順応できるように3レースの出走計画を練るのが良いかもしれない。

 グラファール調教師は豪州での馬の仕上げ方を真似ようとするのではなく、自身の原則に忠実であろうとするだろうから、必然的に8月と9月に1戦ずつさせることになる。

 ベリーエレガントはマイル戦を制しているが、いきなり欧州遠征でマイル戦を走らせるとするならそれはまさにサプライズだ。そのため、ヨークシャーオークス(G1 約2200m ヨーク)は目的にぴったり合うかもしれない。

 海外遠征をしないのであれば、ヨークシャーオークスの翌週の日曜日にドーヴィルで施行されるジャンロマネ賞(G1 2000m)という選択肢もある。同日に行われるポモーヌ賞(G2 2500m)で重い負担重量を背負わされるよりも良いのは間違いない。

 その3週間後の凱旋門賞トライアルデーに施行されるヴェルメイユ賞(G1 2400m)はふたたび牝馬戦となるが、明らかに選択肢の1つとなるだろう。

 しかしベリーエレガントには本物のスタミナが備わっていることで、同じ週末にドンカスターで施行されるパークヒルS(G2 約2800m)やカラで施行される愛セントレジャーS(G1 約2800m)などさまざまな選択肢も浮上するだろう。

By Jonathan Harding and Scott Burton

(1ユーロ=約135円)

[Racing Post 2022年5月12日「Graffard to train Australian Arc hopeful Verry Elleegant after surprise switch」]


上に戻る