新しい検疫施設は海外からのジャパンカップ参戦の後押しとなるか?(日本)[開催・運営]
英国最高峰の(3歳以上の)レース、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1 アスコット)でパイルドライヴァーが優勝し、関係者はその重大な意味を理解しつつあったが、11月の東京のことについては頭になかったかもしれない。
しかしキングジョージを制したことで、パイルドライヴァーがもしジャパンカップ(G1 11月27日)への招待に応じることとした場合、高額なボーナスを手に入れる可能性がでてくる。
ジャパンカップは総賞金8億6,400万円を誇り、すでに世界有数の高額賞金の芝レースとなっている。さらに、ボーナスレースの優勝馬はジャパンカップで4着以内に入れば、獲得賞金に加えて300万ドル(約4億2,000万円)から20万ドル(約2,800万円)までのボーナスを受け取ることができる。
2005年に優勝したアルカセット以来、外国馬がこのボーナスを獲得したことはないが、海外から今年の第42回ジャパンカップに参戦する馬は到着した瞬間から最先端の施設を保証されることになる。今秋東京競馬場に新しい検疫施設がオープンするのである。
近年ジャパンカップに挑戦した調教師たちは、この新しい検疫施設の重要性をよく分かっているだろう。以前の検疫施設は、東京競馬場から車で1時間以上離れたJRA競馬学校(千葉県白井市)にあったからだ。
そのため、海外から到着した馬は7日間の検疫を受けるために成田空港から白井まで輸送され、検疫期間が済んでからやっと府中にある競馬場へ輸送されていたのである。
新しい検疫施設には1周約300mのダートの追い馬場に囲まれている。検疫期間の2日目を終えると、外国馬は競馬場のダートコースで調教に励むことができ、7日目を終えると芝コースでの調教も可能となるという管理体制だ。6棟の国際厩舎(2馬房)があり、それぞれに芝の囲い放牧場・空調設備・遠隔監視システムが完備されている。
キングジョージの2着馬トルカータータッソ(牡5歳)の関係者は、秋の大一番のウォームアップとしてバーデン大賞(G1)に出走し、凱旋門賞(G1 10月2日)で連覇を果たしたのち、ラストランとしてジャパンカップに出走する可能性をすでに示唆している。バーデン大賞も凱旋門賞もジャパンカップのボーナスレースである。
今後施行される欧州のジャパンカップのボーナスレース
英インターナショナルS(G1 ヨーク)
愛チャンピオンS(G1 レパーズタウン)
バーデン大賞(G1 バーデンバーデン)
凱旋門賞(G1 ロンシャン)
英チャンピオンS(G1 アスコット)
By Scott Burton
(1ドル=約140円)
[Racing Post 2022年7月24日「New quarantine centre a boost for Japan Cup international challengers」]