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海外競馬ニュース
2022年08月04日  - No.28 - 5

スウェインとドゥマーニ、いずれも老衰で死亡(アメリカ)[生産]


 引退馬施設オールドフレンズ(ケンタッキー州ジョージタウン)は7月28日、人々に愛された2頭の引退馬を失った。重賞を3勝し、複数回3着内に健闘したドゥマーニ(31歳)と欧州最優秀古馬に輝いたスウェイン(30歳)である。オールドフレンズによれば、2頭は老衰のため人道的に安楽死措置が取られたという。

 2頭はもともとシャドウェルファーム(ケンタッキー州レキシントン)でつい最近まで繋養されていた。しかし同ファームのオーナー、ハムダン殿下が2021年に逝去したことをうけ、事業縮小の一環としてこの春オールドフレンズに移籍していた。

 ドゥマーニは米国のシャドウェルファームの自家生産馬であり、父はダンジグ、母はG1優勝馬デザイアブル(父ロードゲイル)である。1993年~1996年までの4シーズンのあいだ、世界を舞台に活躍した。ニューマーケット・アスコット・ナドアルシバ・東京・北米各地のレースに出走したのだ。シャドウェルに所有され、キアラン・マクローリン調教師に手掛けられ、1995年と1996年にキーンランドブリーダーズカップマイルS(当時 芝G3)を連覇し、1995年に京王杯スプリングカップ(芝G2 東京)を制覇して重賞で優勝を果たし、3着内の成績も収めた。そして1996年に通算成績26戦7勝(2着3回、3着3回)、獲得賞金107万9,098ドル(約1億4,568万円)で現役を引退した。

 スウェインはモハメド殿下がアイルランドで生産した馬であり、父はナシュワン、母はG1優勝馬ラブスミッテン(父キートゥザミント)である。フランスでデビューから5連勝を果たし、その中にはドーヴィル大賞(G2 ドーヴィル)やリス賞(G3 サンクルー)での勝利が含まれる。ゴドルフィンに所有され、最初はアンドレ・ファーブル調教師、後にサイード・ビン・スルール調教師により管理され、1998年には欧州最優秀古馬に選ばれた。

スウェインはG1・4勝を挙げている。それは、コロネーションカップ(G1 エプソム)、1997年&1998年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1 アスコット)、愛チャンピオンS(G1)での勝利である。また、ブリーダーズカップ開催では、1996年BCターフ(芝G1 ウッドバイン)で3着となり、1998年BCクラシック(G1 チャーチルダウンズ)ではいずれもオールドフレンズで引退生活を送ることになるオーサムアゲインとシルバーチャームに続く3着に入った。スウェインは1998年、通算成績22戦10勝(2着4回、3着6回)、獲得賞金379万7,566ドル(約5億1,267万円)で現役を引退した。

 オールドフレンズのマイケル・ブローウェン会長はこう語った。「素晴らしい引退馬を失うのはいつも悲しいことですが、昨日はかなり気落ちしました。唯一悲しみを和らげてくれるのは、アントニオ・マリン場長とロッド&リドル馬診療所のアシュトン・ブロマン博士がドゥマーニもスウェインもひどい苦痛を感じていて、痛みを取り除いてやることが彼らにとっての最善策だと認めていたことです。それは私たちにとっての最善策であったわけではありませんが」。

 「死は彼らを苦痛から解放しましたが、私たちの中になかなか消えない傷を残しました。最善を尽くしたとしても、死には勝てないものなのです」。

By Blood-Horse Staff

(1ドル=約135円)

 (関連記事)海外競馬ニュース 2022年No.12「シャドウェルの種牡馬6頭がオールドフレンズに移籍(アメリカ)

[bloodhorse.com 2022年7月28日「Swain, Dumaani Both Die Due to Infirmities of Old Age」]

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