シービスケットを演じたポップコーンディーライツ、24歳で死亡(アメリカ)[その他]
2003年アカデミー賞のノミネート作品で大恐慌時代のヒーロー、シービスケットを演じた数頭のうちの1頭であるポップコーンディーライツ(せん24歳)が死んだ。
ポップコーンディーライツはクレーミング競走を中心とした平凡なレースキャリアを送ったのちに、2005年から引退馬施設オールドフレンズ(ケンタッキー州ジョージタウン)で繋養されることになった。そして父アフタヌーンディーライツのかたわらで引退生活を送ってきた。
この非営利組織の創設者兼会長のマイケル・ブローウェン氏は、1月20日にポップコーンディーライツが息を引き取ったことを発表した。死因は疝痛による合併症。
シービスケットにそっくりな鹿毛の「ポップス」は、三冠馬ウォーアドミラルとの手に汗握るマッチレースをはじめ映画の数々のシーンに登場した。
ポップスは映画の撮影のあとレースに復帰し、デヴィッド・ホフマン氏に所有され、プリシラ・レオン氏により管理された。彼らはポップスが競走生活を終えたときにオールドフレンズで繋養されるように尽力した。
ポップスの通算成績は58戦11勝であり、獲得賞金は5万6,880ドル(約654万円)だった。
『シービスケット』で伝説的なジョージ・ウルフ騎手を演じた殿堂入りジョッキー、ゲイリー・スティーヴンス氏は共演したポップスを懐かしく思い出す。
現在Foxスポーツの競馬アナリストであるスティーヴンス氏はこう語った。「ポップコーンディーライツは『シービスケット』のスター俳優でした。すべての重要なシーンにおいて頼りになる存在でした。彼は実際のレースで何度か勝利を挙げただけでなく、シービスケットを演じて名高いマッチレースを制したのです。優しくて速くて素晴らしい友でした。彼はオールドフレンズで余生を過ごし、私のもう一頭の相棒、シルバーチャームの隣の囲い放牧場にいたのです」。
スティーヴンス氏は1997年ケンタッキーダービー(G1)でコンビを組んで勝利を収めた、現在オールドフレンズにいるシルバーチャームにも触れながら、「ポップコーンよ、安らかに」と言い添えた。
ブローウェン氏はこう語った。「もちろんポップスはハリウッドで活動したことでファンの絶大な支持を得ました。しかし人々を本当に魅了したのは、その温かい性格と親しみやすい振る舞いでした。ファンは彼のことが大好きで、彼もファンのことが大好きでした。彼がいなくなってこの牧場はひどく寂しくなるでしょう。でも一番寂しい思いをするのは、ポップスの旧友であり放牧場での仲間だったスペシャルリングだと思います」。
By Blood-Horse Staff
(1ドル=約115円)