メルボルンカップ優勝牝馬ベリーエレガントが引退(フランス・オーストラリア)[その他]
豪州の最優秀ステイヤー、ベリーエレガントは英国チャンピオンズデー(10月15日)のフィリーズ&メアズS(G1 アスコット)に出走したあと引退した。
ベリーエレガントは輝かしい経歴の持ち主だ。昨年のメルボルンカップ(G1)や2020年コーフィールドカップ(G1)での勝利を含むG1・11勝を達成した。
レースキャリアの大半をクリス・ウォーラー調教師のもとで過ごしたベリーエレガントは、凱旋門賞(G1)を目指して欧州で競走生活を送るため、この夏フランシス・グラファール厩舎に移籍していた。
しかしフランスでの最初の2戦で勝てず、ロンシャンの大舞台への足きりラインに到達しなかった。
ベリーエレガントは凱旋門賞ウィークエンドに施行されたロワイヤリュー賞(G1)に出走し7着となり、ラストランとなったフィリーズ&メアズSでは9着に終わった。
ベリーエレガントをこれほどまでに人気ある牝馬にしたのは、能力だけでなくその多才性である。さまざまな馬場状態と幅広い競走距離(1400m~3200m)でG1を制しているのだ。
昨年のメルボルンカップでは2着のインセンティヴァイズに4馬身もの差をつけて圧勝し、それはキャリア最高の瞬間となった。
馬主が出した声明にはこのように記されている。「ベリーエレガントは当然のことながら豪州のチャンピオン競走馬に名を連ねるでしょう。現代のどのステイヤーにも引けを取らない記録を残しました」。
「彼女は競走生活においてG1競走で著しい持久力と安定性を見せつけました。その消えないレガシー(遺産)は獲得賞金額やG1・11勝という成績ではなく、多くのファンにもたらした喜びと幸福により評価されるでしょう。またその勝利への不屈の精神は皆を鼓舞しました」。
「彼女の成功に大きな役割を果たした人はたくさんいます。とりわけクリス・ウォーラー調教師と、攻馬手のクリス・ハーウッド氏や厩務員のロッキー・マンガット氏を含む厩舎スタッフの皆さんに感謝したいと思います。また、ジェームズ・マクドナルド騎手、フランシス・グラファール調教師とその厩舎に感謝しています」。
「ベリーエレガントの物語はまだまだ終わっていません。彼女の驚くべき物語のつづき、すなわち母親としての生活を楽しみにしています。来年の北半球の繁殖シーズンに欧州の有力種牡馬と交配できるようになるまで、フランスの美しい牧草地で過ごさせる予定です」。
By Jack Haynes
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[Racing Post 2022年10月20日「'She brought so much joy' - Melbourne Cup heroine Verry Elleegant retired」]