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海外競馬ニュース
2022年11月02日  - No.41 - 2

G1馬ラヴァマン、ブリーダーズカップを最後に誘導馬を引退(アメリカ)[その他]


 ブリーダーズカップ開催(11月4日・5日 キーンランド)を観戦する競馬ファンは、現役競走馬が作り出す歴史以上のものを目にすることになるだろう。

 そして、競馬殿堂入りを果たしたラヴァマン(22歳)のダグ・オニール厩舎での誘導馬というセカンドキャリアの最後の雄姿も見ることになる。このG1馬は、引退馬施設オールドフレンズ(ケンタッキー州ジョージタウン)で繋養されることになったのだ。

 オニール調教師は10月19日にSNSでこのニュースを発表し、ラヴァマンがオールドフレンズ入りの前の最後の仕事として11月5日のBCクラシック(G1 キーンランド)でホットロッドチャーリーを発走ゲートまで連れて行くことを伝えた。

 オニール調教師は声明において、「今年のBCクラシックでラヴァマンがホットロッドチャーリーをゲートまで連れて行き最後の誘導を成し遂げることを発表するにあたり、ワクワクするとともにしんみりした気持ちになっています。彼の精神・体・心には生命力がまだみなぎっています。多くの人々がケンタッキーのオールドフレンズで彼に会い、その偉大さと独特さを感じられることを楽しみにしています」と述べた。

 ラヴァマンは2009年末に通算成績47戦17勝(2着8回、3着5回)、獲得賞金526万8,706ドル(約7億9,031万円)で引退した。その後オニール厩舎の主要メンバーとなり、若い競走馬にコツを教える役回りから、すぐに「コーチ(The Coach)」の愛称で呼ばれるようになった。また、南カリフォルニアのオニール厩舎からの複数の出走馬とともにさまざまなレースに遠征し米国各地を移動する"出張戦士"でもある。

 オニール調教師の声明はこう続いていた。「ラヴァマンの生涯において特別で重要な役割を演じた長年の馬主のデイヴ&スティーヴ・ケンリー両氏とジェイソン・ウッド氏にとりわけ感謝の言葉を伝えたいです。さらには、ノエ・ガルシア氏(長年の担当厩務員)、アントニオ・ロメロ氏(長年の調教騎手)、サバス・リベラ氏(ラヴァマンの兄弟のような世話係)、ジミー・ヒメネス氏(長年の装蹄師)、レアンドロ・モラ氏(厩舎の右腕的存在)にも感謝しています」。

 「ラヴァマンをいくつかのG1優勝に導いてくれたコリー・ナカタニ元騎手やパトリック・ヴァレンズエラ元騎手、現役時代のラヴァマンを支えてくれたハリウッドパーク・サンタアニタ・デルマーの各競馬場と経営陣にも感謝したいと思います。さらにラヴァマンが2015年に初めて資格を得た年に殿堂入りを認めてくれた全米競馬殿堂博物館(National Museum of Racing and Hall of Fame)にも感謝の意を表します」。

 「オニール厩舎は18年にわたりラヴァマンとともにレースや調教に取り組んだことをとても有難く思っています。彼の代わりとなる馬は絶対にいませんし、探すつもりもありません。さよなら、ラヴァマン。大好きだよ」。

 オールドフレンズの創設者マイケル・ブローウェン氏は、現役を引退した時点ですでに生きる伝説となっていたラヴァマンについて、辛抱が報われたと語った。

 「彼が競走生活から引退したとき、ジェイソン・ウッド氏が電話してきて、ラヴァマンをオールドフレンズで預かってくれないかと聞いてきました。『もちろん!』と答えました。その頃はシルバーチャームもいませんでしたので、彼のような大物がいなかったのです。その後、そのまま厩舎の誘導馬になると聞いたときはとても残念に思いましたね。だけど結果的には皆さんにとって良かったようです。世界最高の厩舎の誘導馬になったのですから。馬にとっても本当に良い結果だったようです。そしてオールドフレンズはと言えば、辛抱づよく待っていればいいことが起こるものですね」。

 ラヴァマン(父スルーシティスルー)は、カリフォルニア州でロニー・アルターバーン氏とイヴ&キム・クールマン両氏により生産された。母はリルミズレナード(Li'l Ms. Leonard 父ノスタルジアズスター)。ラヴァマンは2004年にクレーミング競走でケンリー両氏とウッド氏に5万ドル(約750万円)で譲渡され、その後G1・7勝を達成し、競馬史上最も多くの賞金を獲得したクレーミング競走出身馬となった。2005年~2007年にハリウッドゴールドカップ(G1)3連覇を果たし、2006年~2007年にはサンタアニタH(G1)を連覇した。2006年にはチャールズウィッティンガムメモリアルH(芝G1T)とパシフィッククラシックS(G1)も制している。

 ブローウェン氏はこう語った。「ラヴァマンは、なぜ人々が競馬を愛するのかを象徴するような馬ですね。もっと多くの人がラヴァマンのような馬に親しむことができたなら、競馬にのめり込んでいくでしょう。彼はすべてのレースで一生懸命走り、すべての勝負に全力で挑みました。誘導馬になってからも壮大なことをやってきました。彼に会うためにいつも多くの人がダグの厩舎を訪れていましたね。本物のスターなのです。オールドフレンズに殿堂入りした2頭、シルバーチャームとラヴァマンがいることは、ここで働く全員にとって勲章となります。ラヴァマンをここに迎えることにワクワクしています」。

By Claire Crosby

(1ドル=約150円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2012年No.23「ラヴァマン、ダービー勝馬のリードポニーとして第2の人生開始(アメリカ)

[bloodhorse.com 2022年10月19日「Old Friends-Bound Lava Man to Make Breeders' Cup Bow」]


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