アッゼニ騎手、騎乗拠点を香港に移すことを決意（イギリス・香港）［その他］

　アンドレア・アッゼニ騎手は今年フリーで騎乗することの困難を認め、新たな挑戦に取り組もうとしている。

　このクラシック優勝ジョッキーはまず6ヵ月間の契約で8月末に香港に移籍するが、もっと長く滞在することを望んでいる。9年ぶりに契約なしで活動したところ、まずまずの騎乗機会を得るのに苦労したのだ。

　16年にわたり英国で活動しG1・26勝を挙げたアッゼニ騎手は以前カタールレーシングに在籍し、その後モハメド・オバイド殿下のもとで騎乗していたが、今年は契約を更新しなかった。そこで香港での騎乗が認められたことをうけ、海外に出ようとしている。

　アッゼニ騎手はこう語った。「しばらく前に香港ジョッキークラブ（HKJC）から打診があり、少し香港で騎乗してほしいと言われました。ずっと香港を拠点にできる可能性もあるとのことでした。正直なところ、思いがけない電話でした。驚いてしまってどうしたら良いのか分かりませんでした。人生を変えることなので、これほど難しい決断はなかったですね。1ヵ月以上考えて、何人かとじっくり話して、最終的に"これはいいチャンスだ"と判断しました」。

　アッゼニ騎手はグッドウッドカップ（G1 8月1日）で騎乗するジアヴェロット（Giavellotto）で有終の美を飾りたいと考えている（訳注：結果はクイックソーンの5着）。彼はこのレースを2017年と2018年にストラディバリウスで制している。英国での騎乗が最後となる週にはイボア開催に参戦し、その後9月10日の香港競馬シーズン開幕に間に合うように渡航する。

　今年はまずまずの騎乗機会を得るのに苦労しており、2023年はこれまでに24勝しか挙げていない。しかしアッゼニ騎手は、今シーズン苦戦していることが海外移籍の決断を促したわけではないと語った。「10年ほど契約を交わして騎乗してきて、今年がフリー1年目となりました。長いあいだそのような状態でしたので、大きな変化でした。でもHKJCが打診してきたときに、そのことが決断に大きく影響をしたわけではありません」。

　「後ろ盾となる厩舎がなく、困難な状況です。まずまずの騎乗機会を得るのは難しいですし、簡単なことではありませんでしたが、どこかの段階で英国を去る自分を想像していました。米国か豪州か香港に移籍するといつも考えていたのです。そして今回ちょうど良いタイミングで声を掛けてもらいました」。

　「ある意味ラッキーなのは、パートナーはいますが子どもはいないので、世界中を身軽に移動できることです。8月27日のバリアトライアル（発走試験を兼ねた実戦形式の調教）で騎乗するので、そこからどうなるか様子を見てみます」。

　「世界中で騎乗経験があるので、まったく初めてというわけではありませんが、ライフスタイルも競馬の運営のされ方も違いますね。挑戦することを楽しみにしていますが、今のところ香港についてはほとんど考えていません。現時点では英国にいるのですからここで懸命に働くことに集中しています」。

By Catherine Macrae

［Racing Post 2023年7月27日「'It wasn't an easy decision to make - it's life changing' - Andrea Atzeni ready for Hong Kong challenge」］