豪州の名手ダミアン・オリヴァー騎手、年末に引退(オーストラリア)[その他]
豪州で最も偉大な騎手のひとり、ダミアン・オリヴァー騎手(51歳)が2023年の年末に引退することになった。
メルボルン・スプリングカーニバル(9月2日~12月9日)で騎乗したあとに12月の西オーストラリア・カーニバル(The Pinnacles 11月18日~12月16日)に向かい、そこでブーツを脱ぐ。
数週間前から、豪州競馬界ではオリヴァー騎手の引退が近いという噂が流れていた。そして8月30日(水)、騎手自身が引退する意向を発表した。
驚異的なキャリアを歩んできたオリヴァー騎手は通算3,167勝を挙げ(うち128勝はG1制覇)、獲得賞金はおよそ2億5,600万豪ドル(約243億2,000万円)にのぼっている。
まず間違いなく豪州で最も有名なジョッキーであり、長きにわたる騎手生活において豪州で最高級のレースを制してきた。中でもメディアパズルで果たした2002年メルボルンカップ(G1)での勝利は一番有名である。そのときオリヴァー騎手は数日前に事故で亡くなった兄ジェイソンを思い空に向かって敬礼した。
オリヴァー騎手は豪州競馬史最多のG1・128勝を挙げており、ジョージ・ムーア騎手の記録を9勝上回る。また、メルボルン地区のリーディングタイトルも10回獲得している。
オリヴァー騎手は、以下の豪州全土の4大レースすべてを制したわずか8人のジョッキーのうちのひとりである。
オリヴァー騎手はこう語った。「35年ほど騎乗してきましたが、これを最後のスプリングカーニバルにすると決めたのです。永遠に続けることはできませんからね。メルボルン・スプリングカーニバルでは良い思い出しかありません。うまい騎乗をしたいと思っている場所なのです。しかしスプリングカーニバルが終わったら、次はパースに行ってそこでステッキを置くことになるでしょう。すべてが始まった場所、パースのカーニバルでも騎乗したいと思ったのです」。
オリヴァー騎手は元リーディングジョッキーのグレン・ボス氏によるラドブロークス社のインタビューで、期待していた以上のキャリアに恵まれたと語った。
「パースを離れたての新人のころに期待していたよりも、ずっと多くのことを成し遂げました。競馬というスポーツとライフスタイルは、長年にわたって自分にとってとても合うものでした。すべてを与えてくれたと言ってもいいでしょう。とてもラッキーだと思っています。父と兄を亡くしたので奪われたものもありますが、私にとって競馬は間違いなく良いものでした」。
刻々と引退が迫っているが、オリヴァー騎手は最後に主要G1競走で勝つことを夢見ていると語った。「フランキー(・デットーリ騎手)がこの6ヵ月間にお別れツアーで達成したことを目にして、私もあのように花道を飾ってみたいと少し思うようになったのかもしれませんね」。
By racing.com Staff
(1豪ドル=約95円)
[Racing Post 2023年8月30日「'I can't keep going forever' - Australian riding legend Damien Oliver to retire at the end of the year」]