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海外競馬ニュース
2023年11月09日  - No.43 - 3

フランケル、種付料が自己ベストの35万ポンドに到達(イギリス)[生産]


 英国・アイルランドのリーディングサイアーを奪還すると見込まれているフランケル(父ガリレオ)は、2024年の種付料が35万ポンド(約6,475万円)に到達し、世界最高額の種付料を誇るドバウィと並ぶことになる。

 ジャドモントファームのバンステッドマナースタッド(ニューマーケット近郊)で繋養されている15歳のフランケルは、2023年27万5,000ポンド(約5,088万円)の種付料で供用されていた。今年は、北半球種牡馬としては最多の11頭のG1勝馬を輩出しており、同馬はこれで合計33頭のG1勝馬を送り出したことになる。

 今年のG1勝馬の中には、来年から同じ牧場で種牡馬デビューする英2000ギニー勝馬のシャルディーン、英オークス勝馬のソウルシスター、プリンスオブウェールズSと英インターナショナルSを制したモスターダフ、フィリーズマイル勝馬イランイラン、そして先週末ブリーダーズカップフィリー&メアターフを勝ったばかりのインスパイラルが含まれる。インスパイラルはフランケル産駒としてG1・6勝を挙げたが、これは2022年の凱旋門賞優勝馬アルピニスタに並ぶものである。

 今年のタタソールズ社10月1歳セール・ブック1で、フランケルは最高額取引馬2頭を輩出している。最高額となったのは200万ギニー(約3億8,850万円)の牡馬、2番目に高く取引されたのは160万ギニー(約3億1,080万円)の牝馬である。またゴフス社オービーセールにおいても、最高額185万ユーロ(約2億9,600万円)の牝馬を出している。

 2021年フランケルは、11年連続で英愛リーディングサイアーとなっていた父ガリレオを抜いて首位に立った。昨年はダーレーで繋養されているドバウィの次点となったが、今年は獲得賞金において700万ポンド(約12憶9,500万円)以上を獲得して後続集団を引き離し、2回目の欧州リーディングサイアーのタイトル獲得に向かって悠々と進んでいる。

 2013年にG1・10勝を含む14戦14勝という輝かしいキャリアを経て種牡馬入りしたフランケルは、12万5,000ポンド(約2,313万円)で初供用された。1977年に始まった競走馬の国際格付けの歴史において、フランケルが獲得した140というレーティングを超えるのは、141のダンシングブレーブをおいて他にない。なお、この140という評価は昨年トップレーティングを獲得したフライトラインと同じである。

 11月6日に発表されたジャドモントファームのプレスリリースでは、フランケルの来年の種付料は、「過去の偉大な種牡馬の中でも傑出した彼の立ち位置を反映したもの」としている。

 キングマン(父インヴィンシブルスピリット)は、バンステッドマナースタッドの10万ポンドを超える種付料の種牡馬のうち2頭目であり、2024年も今年と同じ12万5000ポンド(約2,313万円)で供用される予定である。同馬は、2023年、フランケル、イントゥミスチーフ、ガリレオそしてドバウィよりも多くの3歳のステークス勝馬を送り出している。

 今年、キングマンはその産駒から15頭の重賞勝馬を輩出した。その中には、ムーランドロンシャン賞(G1)勝馬のソーテルヌ、パリ大賞(G1)勝馬のフィードザフレーム、そしてオーストラリア産馬でJ.J.アトキンス(2歳G1 イーグルファーム)を制したキングコロラドが含まれる。キングマンはセリでも人気を維持しており、1歳馬の平均取引価格は34万ポンド(約6,290万円)以上となった。

 新種牡馬のシャルディーンは種付料2万5,000ポンド(約460万円)で供用される。同馬は、2歳時にデューハーストS(G1 ニューマーケット)およびシャンペンS(G2 ドンカスター)、3歳となった今年は英2000ギニー(G1)を制している。

 2020年のタタソールズ社12月当歳セールにおいて55万ギニー(約1億684万円)で購買されたシャルディーンは、名牝スエリタを母に持つ。スエリタは、ミルリーフS(G2 ニューベリー)勝馬のアルクメイトやG1競走2着の短距離馬ゲットアヘッドを送り出している。

 30頭のG1勝馬を含む220頭以上のステークス勝馬を輩出しているオアシスドリームは今年2万ポンド(約370万円)で供用されていたが、来年は1万5,000ポンド(約278万円)となる。

 オアシスドリームはトップクラスの種牡馬としての実力を証明されているが、ブルードメアサイヤー(母父)としても同様に高く評価されており、牝駒のうち54頭が、G1勝馬13頭を含む重賞勝馬を送り出している。その中には先週BCジュヴェナイルターフスプリント(G1)を勝ったビッグイーヴスや先月フォレ賞(G1)を制したケリナが含まれる。

 そのほかに2024年のバンステッドマナースタッドで供用される種牡馬にはベイティッドブレスがいる。同馬はジャドモントファームを代表する種牡馬であったダンジリを父とし、種付料は今年の1万5,000ポンド(約278万円)から1万ポンド(約185万円)に引き下げられる。ベイティッドブレスは2019年に供されて以来、産駒のブラックタイプの競走成績において最も優れた種牡馬と評されている。また、2023年は4頭の1歳馬産駒が10万ポンド以上で取引されており、計58頭が平均価格約5万ポンド(約925万円)で取引された。同馬の2歳産駒たちは来年競走馬としてデビューすることになる。

 英国ジャドモントファームのマネージャーであるサイモン・モクリッジ氏は次のように語っている。「2023年はジャドモントの種牡馬にとって素晴らしい1年となりました。フランケルは過去3年間で2回目の英愛リーディングサイアーのタイトルを手にしようとしていますし、ロイヤルアスコット開催においてもジャドモントの種牡馬の産駒の活躍が目立ちました」。

 「キングマンは、2023年を3歳のステークス勝馬を最も送り出した種牡馬として締めくくります。その数は、フランケル、イントゥミスチーフ、ガリレオそしてドバウィよりも多いのです。大変意義深いことに、現在英愛リーディングサイアーランキングにおいて1位と3位につけているフランケルとキングマンは、2023年の1年間において合わせて64頭(実頭数)のステークス勝馬を送り出しています。そのうちの39頭が重賞勝馬で、うち14頭がG1を制しています。このことはこの2頭が世界的にも最も優れた種牡馬であることを確固たるものにしています。」

 「ジャドモントの種牡馬リストは、フランケルの最も早熟な産駒であるシャルディーンという楽しみな1頭の追加によって、ますます強化されるでしょう。シャルディーンの馬格、体形、そしてクラシックホースとしての資質は、多くの成功の機会をもたらすに違いありません。生産者の方々が私たちの種牡馬を牧場まで見に来てくださることを楽しみにしています。」

By Kitty Trice

(1ポンド=約185円、1ユーロ=約160円)

[Racing Post 2023年11月6日「Frankel's fee raised to career-best £350,000 as Juddmonte reveals 2024 roster 」]


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