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2023年02月16日  - No.6 - 2

鞭使用回数の上限を5回から4回へ引き下げ(フランス)[開催・運営]


 フランスギャロ(France Galop)は、5月1日から平地競走と障害競走で許容される鞭の使用回数を5回から4回に引き下げると発表した。

 6年余りのあいだに鞭使用回数は3度引き下げられ、実質的に半減することになった。

 2ヵ月間の試行期間が3月1日から開始され、その期間が終了すればルール違反に対する制裁が強化される。鞭を7回以上使用した場合、初犯に科される騎乗停止処分は6日間からとなる。

 この新たなルールでは重賞競走でより厳格な制裁を科すという趣旨は引き継がれている。鞭を5〜6回使用すれば5日間の騎乗停止処分、7回以上使用すれば最低10日間の騎乗停止処分を科される。ただしフランスを拠点とする騎手と外国を拠点とする騎手がビッグレースで等しい条件で競えるようにするために、累犯の場合に科される追加制裁は重賞競走には適用されない。

 鞭使用のスタイルについての変更はほとんどない。肘を肩よりも高い位置に挙げて鞭を使用することや、賞金を獲得したり他馬をかわしたりする見込みがほとんどなくても騎手が鞭を使い続けることを、裁決委員はひき続き取り締まる権限を持つ。しかし興味深い追加がある。手綱を両手で握っていないときに首や肩を叩くと、それが上限4回の鞭使用回数にカウントされることになったのだ。

 試行期間中、裁決委員は鞭を新しい上限を超える回数使用した騎手に警告する一方で、主要な調教センターや競馬学校でコーチによる指導やセミナーを受けることができるようになる。

 フランスは2017年に鞭使用回数の段階的削減に最初の一歩を踏み出して以来、英国やアイルランドよりも大幅に低い鞭使用の上限回数を維持してきた。しかしフランスギャロの裁決委員は、12月に上限回数を5回から3回に引き下げると発表した隣国ドイツに並ぶ寸前にとどめた。

 BHA(英国競馬統括機構)の鞭使用の上限回数を平地6回・障害7回とする新たな提案は英国とフランスの差を縮めることになったが、大きな議論を巻き起こしている。しかしフランスギャロのエドゥアール・ド・ロトシルト会長は、鞭使用回数の段階的な削減は競馬というスポーツに対する一般の人々のイメージを向上させるための長期的な関心事であるとくり返し述べてきた。

 フランスの競馬施行規程に、深刻な違反を犯した場合に馬を失格とするという新たな条項が加えられることはない。

By Scott Burton

 (関連記事)海外競馬ニュース 2019年No.9「フランスにおける鞭使用可能回数、5回に削減(フランス)

[Racing Post 2023年2月8日「France to lower number of permitted strikes with the whip from five to four from May 1」]


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