2023年の発売金、12月に追い上げるも3.7%減少(アメリカ)[開催・運営]
エクイベース社が1月5日に発表した「サラブレッド競馬界の経済指標」によると、2023年のサラブレッド競馬の発売金は、12月に1競走平均出走頭数が急増したことを受けて前年同月比で6.6%増加したにも関わらず、年間では3.7%減少し116億6,000万ドル(約1兆6,907億円)を少し下回ることとなった。2022年の発売金総額はおおよそ121億1,000万ドル(約1兆7,560億円)であった。
賞金総額、開催日数、競走数および出走延べ頭数も同様に2022年から減少したが、競走数5.1%減に対し、賞金支払総額はわずか0.7%減の12億5,000万ドル(約1,812億5,000万円)にとどまった。北米の多くの地域において、カジノおよびスロットマシーンなどによるゲーミング収入によって賞金が強化された。
2023年の1競走平均出走頭数は約1.9%増えて7.43頭となり、統計的に明るい要素となった。2021年と2022年はそれぞれ7.37頭と7.30頭であったが、昨年12月は8.18頭を記録した。一般的に馬券購入者は出走頭数の多い競走により大きな金額を投じる。
2023年は2022年と比較して競走数が減少し、競馬開催日数は前年度比で5.5%減少した。
12月は発売金が急増して、前年同月比6.6%増の7億9,740万ドル(約1,156億2,300万円)に達した。それでも、第4四半期および2023年全体を通して記録されていた減少分を相殺できるほどではなかった。第4四半期の発売金は、前年同四半期比1.7%減の25億3,000万ドル(約3,668億5,000万円)であった。
第4半期の発売金減少には、11月3日・4日の2日間にわたってサンタアニタ競馬場で行われたブリーダーズカップ開催の売上総額が6.7%減少したことが寄与している。この開催は過去の開催に比べてスター的な存在の馬がいなかったこと、獣医師勧告による出走取消が複数あったことの他、レース日程の再調整などの影響を受けてしまった。
2023年は競馬界にとって波乱に富んだ1年であった。予後不良事故に伴うネガティブな報道や激化するスポーツ賭事との競合への対応に迫られた。また、多くの競馬場がコンピューターを利用した発走直前の賭けを許可したことにより、オッズが直前に動くことに対して多くの馬券購入者からの不満が増大した。
By Byron King
(1ドル=約145円)
[bloodhorse.com 2024年1月5日「Wagering in 2023 Declines 3.7% Despite December Growth」]