アイルランドからの輸入馬マッシヴソヴリンが香港ダービーで地元馬を破る (香港)[開催・運営]
3月24日、シャティン競馬場で行われた香港ダービー(L)で、昨年アイルランドから輸入された新参者のマッシヴソヴリンが地元の強豪を撃破した。これにより同馬は、今シーズンの香港競馬の残りのG1競走に挑むことになるだろう。
マッシヴソヴリンは元々、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師に管理されていた。香港ではわずか2度目の出走となったこのレースで、直線で大きく差を詰め、最後の追い込みで勢いが弱まった先頭馬を捉えた。
ノーネイネヴァー産駒のマッシヴソヴリンは、注目を集める形で勝利をあげ、香港の競馬シーンに突如として姿を現した。6ヶ月の休養を経て、香港で3月3日にダービーと同じ距離である2,000メートルのハンデ戦でデビューし勝利を飾っていたのだ。
香港では普通は見られないこの奮闘を見て、調教師のデニス・イップ氏はダービーへの同馬の出走を決意し、香港の4歳クラシックシリーズを戦い抜いてビッグレースに駒を進めたライバルたちと競わせようと考えた。
そしてその決定を下したとき、イップ調教師は、ザック・パートン騎手が騎乗馬を探していることを知った。パートン騎手は一連の複雑な事情で騎乗できそうな馬に乗れなくなっていた。
単勝オッズ41倍のカーインジェネレーションが大きくリードを広げ、残り200メートルの地点では敵なしに見えたため、何をしても無駄なように思えた。その時マッシヴソヴリンはまだ7馬身ほど後方で、馬群の間を捌いていって抜け出すところだった。
勝負の行方が分からなくなったのは、残り50メートルの地点だった。そして、マッシヴソヴリンは同じく追い込んできたギャラクシーパッチにクビ差で先着し、カーインジェネレーションは3着に沈んだ。このシリーズ最初の2レースを制したヘリオスエクスプレスは、8着が精一杯だった。
イップ調教師は、この勝利が2012-13シーズンのチャンピオン調教師の栄誉達成を上回ると語った。
「とても興奮しています。私にとってダービーでの勝利は、チャンピオン調教師のタイトルよりも重要です。最後の200メートルはかなり緊張しましたが、香港のチャンピオンジョッキーであるザックを信じていました。そして馬もすべて順調でした」。
パートン騎手は、直線でカーインジェネレーションを追いかけているとき、それほど自信がなかったと述べた。
「先頭の馬はあそこまで前で走り続けていて、止まったり諦めたりすることもありませんでした。少し疲れていたかもしれませんが、屈しなかったので、私もやってやろうという気になりました。彼に迫ることはできると思っていましたが、どのくらい迫れるかどうかは分かりませんでした。残り200メートルとなった時になって、彼を捉えたと感じました」。
パートン騎手にとって過去に1勝しかしていないダービーは、ジンクスのようなものだ。
「このような素晴らしい馬に出会い、勝つことができて非常に光栄です。自分がとても恵まれていると感じます。勝てたことももちろんですが、なんと言ってもダービーは香港で最も権威のあるレースです。これまでダービーでは悔しい結果が多く、今シーズンもあまりうまくいっていなかったので、このように大きなレースをもう一つ勝つことが出来て嬉しいです」。
イップ調教師は今や、4月末にシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップ(G1)で、マッシヴソヴリンのさらなる飛躍を期待している。そこではおそらく海外の有力馬と対戦することになるだろう。
「クイーンエリザベス2世カップにはすでに登録しています。レース後の状態を見たいと思いますが、もし馬が良い状態で、さらに調子が上がれば出走させる予定です」。
マッシヴソヴリンが1分59秒85というレースレコードでダービーを制覇したことは、イップ調教師にとって勝利以上に励みとなったかもしれない。これは、香港年度代表馬に3度輝いたゴールデンシックスティが、2020年に記録した2分00秒15を更新するものだった。
By Bob Kieckhefer
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