南アフリカ馬のEUへの直接輸出の規制が解除(南アフリカ・欧州)[その他]
長年禁止されていた欧州連合(EU)への馬の直接輸出が3月25日(月)に解禁され、南アフリカ競馬業界に大きな弾みをつけた。
2011年のアフリカ馬疫(African Horse Sickness:AHS)発生以来13年のあいだ、この規制が敷かれていた。そのため、南アフリカの競馬や他の馬術競技は、世界の競争相手から切り離されていた。
幾度となく南アフリカのチャンピオン調教師に輝くマイク・デコック調教師は、EUが実施して他の国も相互適用したこの規制により、国際的な活動から事実上締め出された調教師の一人である。
デコック調教師は長年ドバイワールドカップカーニバル開催で圧倒的な存在感を示してきた。最初のころは、モーリシャス経由の長距離輸送で検疫条件を満たしドバイに馬を遠征させていたが、今では国際舞台から姿を消している。
この制限は国際舞台での南アフリカ調教馬の出走を減少させただけでなく、シャドウェルのような著名なバイヤーを惹きつけていた南アフリカの馬生産を著しく圧迫してきた。
何年にもわたる交渉を経て、南アフリカ馬衛生・協定局(South African Equine Health and Protocols:SAEHP)はEU当局との会談後、EUへの直接輸出再開を発表した。
SAEHPのデイビッド・アベリー会長は次のように語った。「EUへの直接輸出が再開されたことで、南アフリカのサラブレッド競走や馬産業だけでなく、長年いわば国際的に孤立していた他の馬術分野も、時間の経過とともに大きく活性化することが期待されています」。
「SAEHPの機能が、十分な資金を得て要請に応じて発展していけるように、すべての関係者と協力していきたいと思います。そうすれば、効率的で強固な馬輸出システムから生まれる利益を最大化させ、馬産業を支援していくことができます」。
南アフリカ調教馬は以前ロイヤルアスコット開催で出走していたが、デコック調教師の管理馬2頭が出走した2014年以来出走していない。デコック調教師管理のジェイジェイザジェットプレーンは、ウィンザー競馬場での英国デビュー戦で優勝し、ゴールデンジュビリーS(G1)で4着となり、2009年に英国で成功を収めた。
by Andrew Dietz
[Racing Post 2024年3月25日「South African racing comes out of 13-year isolation after EU export ban is lifted」]