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2024年07月11日  - No.26 - 1

欧州牝系のキタサンブラック牡駒が1歳セリ史上最高額で落札(日本)[生産]


 日本競走馬協会(JRHA)セレクトセール(7月8日・9日)の1歳馬セッション(7月8日)では、予想以上に華やかな花火が打ち上げられ、史上最高価格が更新され、平均価格も売却総額も歴史的な高値を記録した。

 ノーザンファームのキタサンブラック産駒(牡)は、セリの中盤に登場し、その花火の主役となった。昨年大活躍したイクイノックスと父が同じで、昨年の3月に生まれた牡馬は黒に近い黒鹿毛の血統を受け継ぎ、1999年仏・愛ダービー馬モンジューを輩出した傑出した血統を持つ。

 ロデオジャパンが5億9,000万円まで入札価格を押し上げ1歳馬セリ史上最高価格を更新し、競っていた藤田晋氏にガリレオの孫を譲らなかった。

 ロデオジャパンが記録的な価格で購入したのはデルフィニアの3番目の産駒である。デルフィニアは競走馬時代にクールモアに所有され、リングフィールド競馬場のリステッド競走リヴァーエデンフィリーズS(2019年)を制し、2つのG1競走(2019年ロワイヤリュー賞、2019年英チャンピオンズフィリーズ&メアズS)で2着になっている。

 その後日本に輸出され、現在8歳のデルフィニアは初産駒ベストミーエヴァー(父ノーネイネヴァー、3歳・牝)が初勝利をあげスイートピーS(L)で3着となっている。デルフィニアの2番目の産駒で、2歳牡馬のリラエンブレム(父キズナ)はデビューに向け調教中である。

 デルフィニアは、リステッド競走勝ち馬のインディアンマハラジャ、G2・G3競走2着馬デラノルーズベルトの全妹である。

 この2頭は、愛1000ギニー(G1、2009年)とモイグレアスタッドS(G1、2008年)の勝馬アゲインを母に持つ。デインヒルダンサー産駒のアゲインの妹は、フォレ賞(G1、2017年)勝馬で種牡馬アクレイムの母アリスがいるという血統だ。

 今回1歳馬セリ史上最高価格で落札された牡馬の3代母であるクンブレは、モンジューの半妹(未出走)である。

 藤田氏は、JRHAセレクトセールの過去2年の1歳馬セッションでトップ購入者であり、7月8日(月)もまたその勢いの中にいた。

 記録的なトップロットを逃したのは残念だったが、藤田氏は欧州の血統を持つ素晴らしい牡馬を手に入れた。父エピファネイア、母は2020年愛オークス勝馬イーヴンソー(父キャメロット)がノーザンファームから提供され、3億4,000万円で落札された。

 藤田氏は合計5頭の1歳馬を総額8億5,000万円で購入した。その中には、G1勝馬で、馬業界で世界的に有名なソダシの一族からモーリスを父に持つ白毛の牡馬も含まれていた。1億9,000万円でこの牡馬を手に入れたことを藤田氏は特に喜んでいた。

 「白毛馬を所有することが夢だったので、この牡馬を買えてとてもうれしいです。日本で活躍した一族の馬です。この馬が活躍して、競馬ファンが応援したくなるような人気馬になることを願っています」と語った。

 「キタサンブラック産駒の購入を逃したのが心残りだったので、この白毛馬の争奪戦に勝てて本当にうれしいです」。

 このセールの話題のひとつは、マイク・リポール氏が購入者として現れたことだ。アンクルモー、ストップチャージングマリア、ステイサースティ、モードニゴールなどを所有するこの馬主は、アレックス・ソリス氏を通じて、コントレイルを父に持つ牡馬を5,000万円で、父キズナ、母はG16勝のジンジャーパンチの牝馬を6,800万円で、合計5頭の1歳馬を購入した。

 リポール氏が落札した最高額は、社台スタリオンステーションで繋養されアーカンソーダービーの勝馬ナダルの初産駒で、ロードカナロアの半妹でG14勝馬ラッキーライラックを産んだルリエーヴルの牝馬に対して支払われた7,800万円である。

 同セッションの総売上額は144億9,700万円で、昨年より約9%増加、平均価格は6,471万8,750円で2023年より9%飛躍し、いずれの数字もJRHAセレクトセールの1歳馬セッションの新記録となった。

By Aisling Crowe

[Racing Post 2024年7月8日「'It's an amazing market' - Kitasan Black colt out of classy European mare sets JRHA Select Sale record at £2.86m」]


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