フランスギャロ、1500万ユーロの赤字を見込むも賞金額は維持(フランス)[開催・運営]
フランスギャロ評議委員会は、1,500万ユーロ(約24億円)の赤字を見込む2025年の予算を正式に採択した。
先月、競馬界は仏政府による賭博税の引上げ提案に直面し、多くの人々はこれが競馬の存続を脅かす事態であると考えていた。この問題は少なくとも一時的には後退したものの、かつては独占事業者であったPMU(フランス場外馬券発売公社)からの競馬および速歩競走の収入は、発売金の減少により目標を約1,800万ユーロ(約28億8,000万円)下回ることが見込まれる。
評議委員会においてフランスギャロ会長のギヨーム・ド・サンセーヌ氏は現状を率直に説明し、PMUの業績に明らかに不満を抱いているとしながらも、フランスギャロが賞金や意欲的な戦略計画のための資金を維持する点を強調した。
しかしながら、オートゥイユ競馬場を近代化するために4,000万ユーロ(約64億円)を投じるプロジェクトは、より費用対効果の高い選択肢を検討するために延期されることとなった。
サンセーヌ氏は、2025年の予算は「大規模な投資と結びついた自発的ビジョン:すなわち、賞金を2024年と同じレベルに維持すること」を包含していると述べた。
同氏は加えて次のように語った。
「我々は、競馬の将来のために強固な経済基盤を構築しながら、この競技の知名度を確保することを目的とした戦略計画 "Ambition 2030"を導入し、進めていくことを決定しました」
「競馬がフランス国民の心の中にその地位を取り戻すことで、発売金収入を増加させ、それが将来の賞金増額につながるという好循環を起こしたいと考えています」。
サンセーヌ氏は、フランスギャロや速歩競走の統括団体が大株主となっているPMUに対する批判を控えることはしなかった。また、発売金の減少理由を調査するため、来年の第1四半期中にPMUの完全監査を実施すると発表した。また、フランスギャロ自らの運営予算の節約を図る。
「PMUの執行委員を12ヶ月間務めましたが、我々は株主としての役割を十分に果たせていないと思っています」と、サンセーヌ氏は言う。「我々は収益の90%をPMUから得ているにもかかわらず、積極的な株主がプライベート・エクイティ・ファンドを管理するのとはまるでかけ離れた方法をとっています」。
サンセーヌ氏は、PMUによるマーケティングや顧客に対する提案面での戦略的ミスを列挙した後、PMUに対する監査は、2024年の売上げが予算に対して約1億ユーロ(約160億円)減少し、競馬と速歩競走における損失が約1,800万ユーロ(約28億8,000万円)にのぼった理由を徹底的に究明するために行うと述べた。
また、オートゥイユ競馬場のプロジェクト延期について、「直近の経済や財政状況を考慮すると、以前想定していたような巨額の資金を投じることは現実的ではありません」と同氏はコメントした。
さらに同氏は、2025年の最初の3ヶ月間にメインスタンド再開発のための新たな選択肢を模索することを約束し、同時に「パリにおける障害競走の未来を持続可能かつ安定した形で支える」というフランスギャロの公約を改めて強調した。
By Scott Burton
(1ユーロ=約160円)
[Racing Post 2024年12月20日「France Galop to maintain prize-money levels in 2025 despite running a €15m budget deficit in the face of falling betting turnover]