繁殖に戻って来る牝馬のためのインセンティブを開始(アメリカ)[生産]
米ジョッキークラブ(TJC)は「繁殖牝馬インセンティブプログラム」という試験的なプロジェクトを開始することを発表した。TJCが指定する条件を満たす繁殖牝馬の2026年生まれの産駒登録料が免除される。
「TJCは、繁殖から離れていたと思われる牝馬たちの一覧に掲載されていて、2025年度に生産地で供用または再供用される牝馬の2026年産駒の登録料を免除します。TJCイノベーションズが提供する無料のソフトによってこれらの牝馬の情報を閲覧することができ、交配相手を選ぶ生産者には貴重な財産になることでしょう」と、TJC代表兼CEOを務めるジェームズ・ガリアーノ氏はコメントした。
毎年12月、TJCは繁殖牝馬インセンティブプログラムで特定された牝馬の一覧を公開する。既に2025年の生産シーズンの一覧は発表されていて、TJCはこれらの牝馬から2026年に産まれる仔馬の産駒登録料を免除する。
「繁殖牝馬インセンティブプログラムは業界にとって非常に有益なリソースになります。我々は、このプログラムの発展性と対象となる牝馬たちが再び血統図に戻ってくることを期待しています」と、クレアボーンファーム代表のウオーカー・ハンコック氏はコメントした。
「現在システムに登録されていない牝馬から産まれた産駒の登録料を免除するというTJCの独創的な取組みを聞き、嬉しく思います。このような牝馬を繁殖のサイクルに戻ってこさせることはアメリカの生産界、競馬界にとってはプラスなことです。どこから次のチャンピオンホースが産まれるかは誰にもわかりません」とクールモアのM.V.マグニエ氏はコメントした。
このプログラムに該当する牝馬は2つの年齢カテゴリーに分けられる。1つ目は2025年1月1日時点で6~9歳までの牝馬で、以下が必須項目となる。
・サラブレッド登録されていること
・TJCで馬名登録されていること
・過去2年(2023年、2024年)出走履歴がないこと
・過去2年に産まれた当歳の母として登録されていないこと
・過去2年に種付けされていないこと
・アメリカ、カナダ、プエルトリコから外国に最終の移動となる輸出が行われていないこと
・死亡登録されていないこと
2つ目のカテゴリーは2025年1月1日時点で10~19歳の牝馬を対象とする。上記の項目を満たすのと同時に、2021年か2022年に登録された産駒を出産していることが条件となる。
「2つのカテゴリーの牝馬を合わせると、約23,000頭が特定されており、生産のサイクルに導入、または再導入されうるということになります。更に、個別の州が新たにインセンティブを加えることでこれらの条件を満たす牝馬が生産に戻り、産駒が登録されていくことを期待します」と、TJC副事務局長のジェイミー・ヘイドン氏はコメントした。
「ニューヨーク州産駒に与えられている付加賞金や現在の賞金体系を考えると、このツールを使って質の高い牝馬を探し当て種付けすることで、我々のプログラムに参加する人たちが増えることを期待しています」と、ニューヨーク州サラブレッド生産者協会専務理事のナジャ・トンプソン氏は語った。
The Jockey Club
Edited Press Release
[bloodhorse.com 2024年12月20日「The Jockey Club Launches Mare Incentive Program]