女傑ベリーエレガント、出産時の合併症で急死(オーストラリア)[その他]
2021年のメルボルンカップを制して栄光を極めたオーストラリアの女傑ベリーエレガントが、出産時の合併症のため死亡した。
競馬場で輝かしいキャリアを残し2022年に引退した後、シーザスターズとの間に仔馬を身ごもっていたが、出産予定日から3週間を経過し、逆子出産となった結果、命を落とし仔馬も死亡した。
キャリアの大半をクリス・ウォーラー調教師に手がけられたベリーエレガントは、2021年11月、ジェームズ・マクドナルド騎手を背にフレミントン競馬場で行われたメルボルンカップで4馬身差の圧勝を飾るなど、G1レースを11勝した。その前年にはコーフィールドカップも制し、2020-21年のオーストラリア年度代表馬にも輝いた。
この名牝は2022年、欧州遠征と凱旋門賞挑戦という野心を胸に、フランシス・グラファール厩舎へ転厩した。凱旋門賞に出走することはなく、欧州では4戦して勝利を挙げることができなかった。2022年10月にアスコットで行われたチャンピオンズデーの英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(G1)では、エミリーアップジョンにの9着に終わった。
彼女とともにG1 9勝をあげたマクドナルド騎手は、オーストラリアのラジオ局SENに次のように語った。「信じられませんでした。本当のことだと思えなくて。感情的になることはほとんどないのですが、涙が出るのをこらえられませんでした。彼女にはかなり思い入れがありました。彼女は間違いなく、私の競馬人生において最高の日をもたらしてくれました。彼女は本当に偉大な馬で、いつも気持ちを込めて走ってくれる馬でした。特別な一頭です」。
G1レースでの残りの2勝は、マーク・ザーラ騎手によるもので、2020年のコーフィールドカップでは、2019年のダービー馬アンソニーヴァンダイクを頭差で退けた。
「ベリーエレガントでコーフィールドカップを初めて勝たせてもらいました。私にとっては特別な存在です。彼女は毎レース110パーセントの力を発揮していて、写真判定のような際どい勝負だと、どんな馬にも負けなかったでしょうね」と、ザーラ騎手は語った。
ベリーエレガントが輝かしいキャリアで稼いだ賞金は810万ポンド(約15億3,900万円)を超える。彼女が2021年と2022年に連覇したG1チッピングノートンSは、オーストラリアンターフクラブによってベリーエレガントSと改名され、3月2日にロイヤルランドウィック競馬場で行われる予定だ。
By Matt Rennie
(1ポンド=約190円)
[Racing Post 2024年2月19日「'She was a special one' - Melbourne Cup heroine Verry Elleegant dies after complications giving birth」]
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