放牧が長ければ長いほど若馬の怪我のリスクは低下(イギリス)[獣医・診療]
イギリスで行われた若馬を対象とした研究で、24時間の放牧を行い、且つ放牧地を広くすることによって、馬の怪我や筋骨格系疾患が減少する可能性が示唆された。
この調査は離乳期および1歳のサラブレッドを対象とし、24時間放牧されたグループと1日9~23時間放牧されたグループを比較研究したもの。調査はイギリスの6つの牧場で行われ、若馬134頭が生まれてから牧場を去るまでの期間を対象とした。
怪我の発生率は、1日9~23時間放牧された馬よりも、ずっと放牧されていた馬の方が低かった。Equine Veterinary Journal誌に発表された論文によると、7日間で1日9~23時間放牧されたグループでは、筋骨格系の負傷の増加が4.6倍だった。
また、生後4ヶ月目の1日の平均放牧地面積が1エーカー増えるごとに、生後6ヶ月から18ヶ月の間の筋骨格系疾患および傷害の発生率が24%減少することもわかった。
調査グループは、より広い場所で走らせ、馬房に閉じ込めることを避けることが、成長期の馬の体組織の発達に良い影響を与えるという仮説を立てた。
この調査結果は、日ごろルーティーンとしている放牧の中断や変更は怪我のリスクを高めるため、可能な限り避けるべきであるということを示唆している。また調査グループは、特に離乳前の馬を広い放牧地で放牧することが、その後の筋骨格系疾患や怪我の発生に対し、ある程度の耐性を与えうると結論づけた。
この論文は2023年12月に発表された。詳しい内容は下記URLより参照されたい。
https://beva.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/evj.14038
By Equine Veterinary Journal
[bloodhorse.com 2024年2月16日「Longer Turnout, Larger Paddocks May Lower Injury Rate」]