HRA、発走試験における薬物検査を実施(イギリス)【獣医・診療】
5月1日より、発走試験を受ける際に管理馬に鎮静剤を与えていることが判明すれば、調教師に最高2,000ポンド(約40万円)の罰金が科せられる。
この新ルールは、発走の遅延を減らす対策の1つとして、競馬施行規程に盛り込まれた。
2006年1月から2007年2月までの間に、出走馬の15%以上が枠入り前と発馬機内において“不適切な行動をした(暴れた)”と記録された調教師は、管理している未出走馬のすべてについて発走試験を受けなければならない。このような試験の増加が予想されることから、競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority: HRA)は試験を受ける管理馬への鎮静剤の投与を禁止することとした。
発走試験を受けるすべての馬が薬物検査の対象となる。新ルールにおける禁止薬物とは不安などの治療に使用されるすべての薬物であるが、これらは4つの広範なカテゴリー(鎮静剤・トランキライザー・催眠剤・精神安定剤)に分けられる。
しかしながら、HRAは2006年を通じて行ったテストケースの結果から見て、これらの禁止薬物の使用が広範囲に及んでいるとは考えていない。
HRAの広報担当者は、「いずれにしても確証はありません。ここ18ヵ月の検査で陽性反応が出たのは1件に過ぎませんし、全く陽性反応がなかったと見なしても良いのです。しかし、私たちは発走試験を受ける頭数が増えることから管理馬に薬物を投与する誘惑が増えると考えたので、新ルールを追加しました」と語った。
管理馬から陽性反応が出た調教師は700〜2,000ポンド(約14万〜40万円)の罰金と1,000ポンド(約20万円)の再試験料を支払う義務がある。
薬物が検出された馬は、発走試験をきちんとパスするまで出走停止になるが、再試験は最初の分析結果が出てから少なくとも28日経たなければ受けられない。
発走試験・薬物検査に合格した馬は、HRAの特段の指示があるまでは、再試験を受けなくても良い。
By Bill Barber
(1ポンド=約200円)
[Racing Post 2007年5月1日「HRA to punish doping for stalls test from today」]