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海外競馬情報
2007年06月08日  - No.11 - 4

新大統領「競馬産業は保護しなければならない」と語る(フランス)【その他】


Q: 競馬および競馬に関連する経済活動について、どのようなイメージ・興味をお持ちですか?今日、競馬産業は十分に支援され、その意見が受け入れられていると思われますか?また同時に農村地域の安定に“有用”だと思われますか?
 
A: 私は熱中している人々が好きですし、600万のフランス人が競馬を楽しんでいることは素晴らしいことです。競馬といえば、まず6万2,000人の就業者を抱える安定し豊かな収入源です。そして、競馬産業は地域を整備し、活性化する不可欠な要素です。なぜなら、ヨーロッパの競馬場の2つに1つはフランスにあり、競馬は多くの地方において生産牧場、調教場、そして本当によく手入れされた牧草地が存在できる基盤となっています。特に馬が作り出すポジティブなイメージを通して、競馬が観光、レジャーの発展に係わっている農村地域において、地方自治体だけではなく国も、競馬および関連産業の活動に配慮すべきです。
 
Q: PMU(フランス場外馬券発売機構)は毎年80億ユーロ(約1兆2,000億円)を売り上げ、フランスの競馬産業を財政的に支援し、10億ユーロ(約1,500億円)を国家に納めています。この資金の流れについてどのような見解を持たれますか?
 
A: 私はとてもポジティブな見解を持っています。この資金の流れは確かに機能しています。それは、高い質を誇る公正な競馬、競馬産業への手厚い資金配分、国家予算への重要な貢献などです。これにより、賭事客は信頼感を持つことができますし、生産者と馬主は明確な目標を持つことができます。またPMUについては、その組織は経済利益団体(GIE)の1つの模範として確立しています。
 
Q: 欧州委員会はフランスで認められている2つだけの賭事業者フランセーズ・デ・ジュー社(Française des Jeux フランスくじ協会)とPMUの独占に対して異議を唱えています。この2社の独占を維持することに賛成ですか?反対ですか?もし賛成であればどうしてですか?もし反対であればフランスの競馬界の維持と発展のためにどのようなルールが設けられるのが適当だと思われますか?また、ブックメーカーや他の賭事業者にどのような態度を取りますか?
 
A: ヨーロッパはフランスの競馬界を保護すべきで衰弱させてはいけません。競馬・生産活動はとりわけ平地競走において、そのレベルの高さにより輸出に大変貢献しています。反対に競馬賭事市場の開放を検討することも不当なことだとは思っていません。市場を開放するとなれば2つの条件が出されるべきだと考えます。第1に、競馬商品については、今日実践されている異論のない高レベルの透明性や合法性の保証を獲得すべきです。第2に、賭事免許については競馬統括機関がPMUの競争相手となる賭事業者に免許を付与する場合、絶対的な透明性が尊重され、少なくとも売り上げに釣り合う競馬界への貢献が保証されなければなりません。
 
Q: フランス人は賭事に依存していると思われますか?国はもっと依存症に取り組むべきでしょうか?国の競馬に対する賦課水準についてどのような考えをお持ちですか?その額を下げるべき、あるいは上げるべきだと思われますか?
 
A: 依存症は情熱と狂気の境界の問題と言えます。現在のところ、競馬賭事はどちらかと言えば、理性の側にあると思えます。なぜなら、そのゆるやかなテンポは、カジノのテンポの速さや1日400回の抽選のあるフランセーズ・デ・ジュー社のスピードくじとは比較になりません。このことは、PMUや将来賭事免許を付与されるであろう競争相手の発展を妨げることはないでしょうし、依存症を防ごうと努めていることも明らかになるでしょう。国家による賦課水準については、競馬賭事市場の開放の可能性だけではなく、仕組みを近代化し、徐々にヨーロッパでの平均レベルに合わせるべきだと思います。しかしながら、私はそれが競馬産業に与える影響については考慮するつもりです。
 
Q: 国家は国立種馬場(Haras Nationaux)の運営資金の大部分に出資をしていますが、この由緒ある制度は維持されるべきですか?それにはどのような価値があると思われますか?
 
A: PMUへの賦課金から支出しているので、国が国立種馬場に資金を供給しているという言い回しはできません。国立種馬場は、古色蒼然とした制度ではなく、フランスの馬生産においてダイナミックで必要不可欠な組織です。さらには、投機が競走馬生産に悲劇的な結果をもたらしたことがあるので、生産者の投資を支援しつつ、公共サービスによる種付料によって、フランスの競走馬生産関係者を投機から保護しています。

By Francois Hallopé
(1ユーロ=約150円)

[Paris Turf 2007年4月21日「Un point commun: il faut préserver la filière」]


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