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海外競馬情報
2007年11月02日  - No.21 - 4

凱旋門賞は他のレースと同じ判定(フランス)【開催・運営】


 フランスギャロ(France Galop)の規定・裁決委員部門のアンリ・プレ(Henri Pouret)課長は、凱旋門賞で1着に入線したディラントーマス(Dylan Thomas)の着順を変更しなかった裁決委員の判定について説明した。

 パリ・テュルフ紙(以下:Q): あなたは凱旋門賞を他のレースと同様に判定しましたか?

アンリ・プレ氏(以下:A): 凱旋門賞は重要なレースですが、他のレースと同様に判定されなければなりませんし、裁決委員はそれを実行しました。

 

Q: 通常、異議申立は被害馬に有利に働くものです。たとえ最終的に審議の結果が裁決委員の全員一致の判定であっても、このレースでは加害馬に有利に働いた印象を持ちます。ディラントーマスが勝利に値するとお考えになりますか?

A: 裁決委員は走行妨害の状況を厳正に調査し、それによりこの結果がもたらされました。ステファーヌ・パスキエ(Stéphane Pasquier)騎手の騎乗したザンベジサン(Zambezi Sun)について分析すると、この馬は他の馬とは違い、ディラントーマスの進路変更の前に鞭によるゴーサインを少なくとも1回受け、すでにスパートをかけていたことが明らかになりました。そして、ザンベジサンの動きには順位を上げる可能性は見られませんでしたので、この馬については、裁決委員は進路変更の影響なしと判断しました。ソルジャーオブフォーチュン(Soldier of Fortune)については、同馬はおそらく進路変更の被害者でしょう。しかし、同馬のジョニー・ムルタ(Johnny Murtagh)騎手は追うのをやめました。重要な問題点が1つあります。被害を受けた騎手は、裁決委員に進路変更の影響を評価させるため、馬をゴールまで全力で走らせなければなりません。裁決委員の判定ではこの点が重視されました。

 

Q: ルイ・ロマネ(Louis Romanet)氏は1月、アジア競馬会議(Asian Racing Conference)において、フランスの走行妨害に関するルールの見直しを主張していました。あなたの見解はいかがですか?

A: 規定の見直しについては10月8日、国際競馬統括機関会議(Conférence Internationale des Autorités Hippiques)において提起されました。これは1日では実現しません。伝統の影響力は極めて強いのです。多くの社会的通念がありますので、各自が明確に理論を説明しなければなりません。私は、イギリス人はフランスの規定をよく認識しておらず、フランス人もまたイギリスの規定を認識していないと思っています。いくつかの判定に関しては、イギリスとアイルランドが国際的な場面において孤立していることを認識しなければなりません。南アフリカ、オーストラリアのような他の国々、アメリカ大陸の国々においてもフランスの判定の仕方に大変近いです。同じ状況において、フランスと同じく他の国々も降着させるのに、イギリスとアイルランドは順位を維持させようとします。このようなことから、制裁規定の共通化の検討は実際に進行中です。これはほとんど哲学的議論です。レースが規則正しく行われるように降着処分等による公正な抑止力があるべきだと思いませんか?あるいは、トラブルが多くてもスポーツとして結果を絶対的に重視し、そしてそこでは騎手だけに責任があり罰せられるようなレースが行われることを望みますか?これは非常に興味深い議論です。

 

By Christophe Ugnon-Fleury

[Paris Turf 2007年10月10日「《Jugé comme une autre course》」]


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