米国、WTO論争収束に向け補償金支払いを申し出る(アメリカ)【開催・運営】
米国は、世界貿易機構(World Trade Organization: WTO)のサービスの貿易に関する一般協定の約束表から越境賭博サービスを除外する決定に関する貿易論争を収束させるために、アンティグア・バブーダに対して50万ドル(約6,000万円)の補償金を支払うことを申し出た。
米国は、賭博サービスの自由化約束を撤回した後、利害関係国と交渉を始めた。可能性のある新しい市場としてアンティグア・バブーダ、欧州、日本、カナダ、インド、コスタリカおよびマカオを挙げている。
アンティグア・バブーダは、米国が越境インターネット賭事を制限しているのは、サービス貿易の自由化を阻害しているとしてWTOに提訴していた。
米国インターネット賭博禁止法(U.S. Internet gaming prohibitions)におけるいくつかの例外の1つは競馬賭事であるので、越境インターネット賭事の問題は競馬産業に影響を及ぼすことになる。アンティグア・バブーダのWTOに対する申立ては、米国は例外なくすべてのインターネット賭事を禁止にするか、あるいは米国の賭事市場を開放すべきというものであり、WTOはこのカリブ海の小国の主張を認めた。
その代わり米国は、賭博サービスの自由化約束を撤回することを決定した。これは全米サラブレッド協会(National Thoroughbred Racing Association)を喜ばせた。
NTRAのアレックス・ウォルドロップ(Alex Waldrop)会長は、「米国のサービス貿易協定約束表がアンティグアにとってどのような価値をもつかについて議論の余地はあるでしょうが、米国のアンティグアに対するこの補償の申出は、紛争を解決するための妥当な努力だと思います。私たちは、米国通商代表部(U.S. Trade Representative)の交渉努力を支持します」と述べた。
米国が申し出た50万ドル(約6,000万円)は、アンティグア・バブーダが要求していた補償金年額34億ドル(約4,080億円)をはるかに下回るので、さらなる紆余曲折が予想される。
By Frank Angst
[thoroughbredtimes.com 2007年9月27日「United States makes compensatory offer in trade dispute」]