新しく開発された馬場状態測定器(イギリス)【その他】
競馬賭事賦課公社(Levy Board)が4万5,000ポンド(約900万円)の補助金を交付することを確認したことを受けて、イギリスの58芝競馬場すべてが2007年にゴーイングスティック(GoingStick−馬場状態測定器)を使用することになった。この補助金により、各競馬場が年間を通してゴーイングスティックをリースすることができる。
競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority: HRA)は、2007年3月から出馬投票日と開催日にゴーイングスティックにより馬場状態を計測するようすべての馬場取締委員に要求し、この計測値は馬場取締委員の公式馬場状態報告書の中で発表されることになる。
HRAの競馬場免許・基準担当理事トニー・グッドヒュー(Tony Goodhew)氏は、次のように述べている。「競馬界は、馬場状態報告書を客観的なものにする装置を常に探していました」
「数年間にわたる十分な研究を踏まえて、我々は今後1年間、すべての芝馬場で検証をすれば、ゴーイングスティックを受け入れることの利点が立証され、ゴーイングスティック計測値が全競馬場の馬場状態報告書に記載されるようになると期待しています」。
ゴーイングスティックは、馬場表面の抵抗を測定し、機械的かつ客観的な馬場状態の測定値を0から15までの測定目盛(数値が低いほど馬場が軟らかいことを示す)で表示する。
この機器を開発したターフトラックス社(Turftrax)社による広範な研究と試行の後、イギリスのトップクラスの12競馬場で最初に使用され、2003年12月にジョッキー・クラブ(Jockey Club)によって正式に承認された。
最近ではゴーイングスティックは国際的に認められるようになり、オーストラリアとフランスの競馬統括機関および各競馬会社などに購入されており、香港ジョッキー・クラブ(Hong Kong Jockey Club)も試験的に使用している。
(1ポンド=約200円)
By Paul Eacott
〔Racing Post 2006年12月19日「GoingStick for every British turf course next year」〕