海外競馬ニュース 軽種馬登録ニュース 海外競馬情報 統計データベース 海外競馬場・日程 世界の競馬および生産統計 海外競走登録 申請書類
血統書サービス 引退名馬
twitter FB
TOPページ > 海外競馬情報 > 欧州司法裁判所が国際間賭事を承認(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2007年04月20日  - No.8 - 1

欧州司法裁判所が国際間賭事を承認(イギリス)【開催・運営】


 リヴァプールに本社を置くスタンリーベット・インターナショナル社(Stanleybet International: SI)は、3月6日に欧州司法裁判所(European Court of Justice: ECJ)で大勝利を収めた。これは、電話やインターネットによる国際間賭事を認めないイタリア政府の施策をくつがえし、そして欧州域内の市場開放に対する抵抗を変えさせるための法廷闘争における勝利であった。

 イタリアの国家行為が、欧州連合(EU)の法律に違反していると述べたECJの判決は、ルクセンブルグにあるECJの11人の裁判官団によって下された。この判決は、SIに賭けを申し込んで最高3年の懲役に処せられた3人の賭事仲介業者のうち1人の名前にちなんでプラカニカ(Placanica)事件と呼ばれていたこの事件に結論を下したものである。SIのジョン・ホイッテカー(John Whittaker)社長は、ECJに提起した訴訟で主導的役割を果たした。

 今回の判決は、2003年のガンベッリ(Gambelli)事件(この事件もSIによって提起された)に対するECJ判決を引用し、「国によって発行さ れた免許証または警察許可証のない賭事・博戯分野の活動を刑罰によって禁止する法律は、営業地選択の自由およびサービス提供の自由を制限するものである」と裁定した。

 同判決は、「外国の賭事会社に代わって賭事を仲介する業者に対して刑罰を加えるイタリア政府のやり方は、欧州連合のルールに反するものである」と付言している。

 ヨーロッパの賭事協会とラドブロークス社(Ladbrokes)を含む個々のブックメーカーは、今回の決定を歓迎している。

 欧州賭事協会(European Betting Association)は、「今回の判決は賭事分野における国家独占モデルにとどめを刺すものだ」と述べている。

 しかし、SIの副社長エイドリアン・モリス(Adrian Morris)氏は「画期的な判決ですが、我々は現実的にならなければなりません。一歩前進しましたが、一気に階段を上ったわけではありません」と述べて喜びを抑えている。

 同氏は、さらに次のように述べている。「我々は、欧州委員会(European Commission: EC)ならびに当事国の政府・裁判所がこのECJ判決を受け入れるよう望んでいます。そして、イタリアとドイツが越境賭事を解禁する最初の国になることを 期待しています」。

 「我々は数ヵ国(とりわけフランス)が変更に反対して激しくロビー活動をしていることを知っていますが、ECが自分の正しいところに従って行動するよう期待しています」と述べている。

 モリス氏は、次のように付言している。「正式に免許を有するイギリスの規律ある賭事業者として、我々は誰の得にもならず商業活動の自由に対する不当でかつ差別的な制限を廃止することを目標として、訴訟を支援してきました。消費者は、社会的に責任のある賭事業者によって提供される、高品質で規律があり革新的な賭事商品へのアクセスを拒否されています」。

 ラドブロークス社の最高経営責任者クリス・ベル(Chris Bell)氏は、「この判決は、ヨーロッパにおけるより公平な競争をさらに一歩前進させるものであり、多くのEU加盟国の政策が、自由でかつ公平な競争を制限している点において不適切でかつ不釣合いであるという我々の見解を支持するものです」と述べている。

By Howard Wright

〔Racing Post 2007年3月6日「Stanleybet win ECJ ruling against Italian ban on cross-border betting」〕


上に戻る