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海外競馬情報
2008年08月22日  - No.16 - 3

欧州から見た世界の国際競走(連載5 日本)【その他】


 日本の2つの国際招待競走であるジャパンカップおよびジャパンカップダートの開催に際して、日本中央競馬会(JRA)は、各招待馬のヨーロッパと日本間の往復輸送費、輸出入の際に生じる通関費用、空港・検疫所・競馬場間の移動経費、馬房貸付料、寝藁・飼料代金、馬の治療代および装蹄代を支払う。

 費用等の支払を受けるのは、馬だけではない。JRAは、馬主、調教師、騎手および彼らの配偶者の航空運賃と宿泊費を支払い、随行する厩務員と調教助手の航空運賃および検疫所と競馬場に滞在する間の宿泊費も支払う。

 これらの費用については、外国調教馬がしかるべき高い格付けを受けている場合には、スプリンターズSおよびマイルチャンピオンシップといったその他のG1競走に出走する当該馬と関係者にも支給される。

 さらに、ドバイシーマクラシック、凱旋門賞、ブリーダーズカップ・ターフ、英ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、愛ダービーおよび仏ダービーの優勝馬と2着馬が、ジャパンカップに優勝した場合は、最高で1億3000万円の高額ボーナスが交付される。また、アーリントンミリオン、カナディアン国際S、コックスプレート、愛チャンピオンSおよびバーデン大賞の優勝馬が、ジャパンカップに優勝した場合には、同競走の優勝賞金2億5000万円に加えて、1億円のボーナスが交付される。

 今年は第1回“ジャパン・オータムインターナショナル(JAI)”が開催される。この開催は、競馬フェスティバルとして装いを新たにしたジャパンカップターフとジャパンカップダートの両競走を含む、本質的に日本の競馬シーズン終幕における四大チャンピオンシップ決定戦となる。JAIは、凱旋門賞、ブリーダーズカップ競走および香港国際競走の間を縫って11月中旬から12月上旬にかけて施行される。JAIの創設時に主催者が指摘したように、JAIは海外の最高馬を日本で出走するよう勧誘するのに理想的である。

 ジャパンカップの26年の歴史において、イギリス、アメリカ、アイルランド、フランス、ドイツ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドそしてもちろん日本の馬が優勝している。ジャパンカップのダート版として後に創設されたジャパンカップダートの8回の開催での海外参戦優勝馬は、1頭だけである。それは、カリフォルニア州でダグ・オニール(Doug O’Neill)調教師によって管理されていたフリートストリートダンサー(Fleetstreet Dancer)である。

 ジャパンカップダートの賞金総額がジャパンカップのほぼ半額であるが、国際競走においてイギリス調教の芝馬がダート馬よりも伝統的に優れた成績を上げているにもかかわらず、イギリスは2007年に両競走にそれぞれ2頭の馬を参戦させた。ペイパルブル(Papal Bull)とハリカナサス(Halicarnassus)は、ジャパンカップでそれぞれ7着と17着に入り、他方、ジャックサリヴァン(Jack Sullivan)とキャンディデート(Kandidate)はジャパンカップダートでそれぞれ12着と15着になった。

日本関係者の見解

日本中央競馬会の上田貴之氏は、次のように述べている。

 「外国調教馬の出走と馬券売上高の間に相関関係はありませんが、JRAは次の理由により最高級の外国調教馬を呼び寄せることに関心を持っています。第一に外国調教馬と競い合う日本馬の能力を評価することです。第二に一般大衆を競馬というスポーツに引き寄せることです。そして、第三に日本の競馬を外国の競 馬統括機関に宣伝することです」。

[Pacemaker 2008年6月「Have horse, will travel」]

次号(17号)には「欧州から見た世界の国際競走(スカンジナビア)(シンガポール)」を掲載


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