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海外競馬情報
2008年09月05日  - No.17 - 5

欧州から見た世界の国際競走(連載7 シンガポール)【その他】


シンガポールの国際競走によって、シンガポール・ターフクラブ(Singapore Turf Club: STC)の"最高馬で競馬を盛り上げよう"というモットーが短期間の内に定着した。

 2000年にクランジ競馬場で開催された第1回シンガポール航空国際カップ競走(芝約2,000 m)において、ニュージランド産で地元調教馬のウーゾ(Ouzo)がフランスの参戦馬ジムアンドトニック(Jim And Tonic)の挑戦を首差で振り切った。

 2001年にはルカ・クマーニ(Luca Cumani)調教師の管理馬エンドレスホール(Endless Hall)をはじめヨーロッパ調教馬が1~3着および5着に入った。

 そして2001年末に、シンガポール航空国際カップ競走は国際セリ名簿基準委員会(International Cataloguing Standards Committee)によって国際G1の地位を与えられた。

 その後、ヨーロッパからの参戦馬は、アンドレアス・シュッツ(Andreas Schütz)調教師[2006年香港に移籍、現在スーパースターのグッドババ(Good Ba Ba)を管理している]の管理馬エパロ(Epalo)が2004年に優勝した後は勝利を収めていない。なお、2007年同競走でドクターディノ(Doctor Dino)が3着に入り賞金約10万ポンド(約2400万円)を獲得し、キャンディデート(Kandidate)は5着になって約1万5000ポンド(約360万円)を獲得した。

 シンガポール航空国際カップ競走の2008年開催では、総額99万ポンド(約2億3760万円)の賞金が提供され、この賞金は10着まで交付された。この高額賞金にもかかわらず、イギリスまたはアイルランドの調教師が2008年のシンガポール航空国際カップ競走に参戦させたのは、10着に入ったトラフィックガード(Traffic Guard)(英国G3競走2回入着)のただ1頭である。

 シンガポールの国際競走は1レースだけではない。2001年にアイアンマスク(Iron Mask)は、それまでごく少数のヨーロッパ調教馬しか実現していなかったことを別のレースで成し遂げた。すなわち、異なる大陸に遠征し、短距離競走で高額賞金を手に入れたのだ。同馬の優勝は、クランジ競馬場で開催された第1回クリスフライヤー・スプリント競走(SIN-G1芝約1,200 m)で達成された。同競走は、2002年に国際G3に格付けされたが、開催を5年間休止し、2008年の5月に復活した。

 2008年のクリスフライヤー・スプリント競走(SIN-G1)へのイギリスからの出走馬は、マーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師の管理馬で、G3競走入着馬のラヴレース(Lovelace)1頭だけであった。同馬はオーストラリアから参戦したG1短距離優勝馬のテイクオーバーターゲットに6馬身の大差で敗れ7着に入って、約4000ポンド(約96万円)の賞金を獲得した。

 賞金に加えて、シンガポール航空国際カップ競走とクリスフライヤー・スプリント競走の海外招待馬に対して、主催者は馬の輸送費と厩務員2人の旅費を支払い、また馬主・調教師とそれらの配偶者ならびに騎手1人に対してビジネスクラスの航空運賃と宿泊施設を提供する。

シンガポール関係者の見解


 シンガポール・ターフクラブのマイク・ワンクリン(Mike Wanklin)副理事長は、次のように述べている。

 シンガポールの国際競走は、世界の競馬界に向けた我々の広告塔です。外国馬が参戦すると、その国におけるシンガポール国際競走への注目度は明らかに高まり、内外の報道も非常に活発になります。またシンガポール馬を国際的尺度で評価する基準を与えてくれます」。

 「ヨーロッパの調教師の中には、5月開催のシンガポール航空国際カップ競走に馬を遠征させることを躊躇する人もいるかもしれませんが、グランデラ(Grandera:2002年に英国からドバイに移籍)が2002年のシンガポール航空国際カップ競走に優勝し、約1ヵ月後に英国のプリンスオブウェールズS(G1)に優勝した事実は、それが可能であることを証明しています」。


(1ポンド=約240円)

[Pacemaker 2008年6月「Have horse, will travel」]



次号(18号)には「欧州から見た世界の国際競走(トルコ)(アメリカ)」を掲載


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