トート社のスクープ6馬券の記録的繰越金は誰の手に(イギリス)【開催・運営】
スクープ6(Scoop 6)馬券が発売される土曜日に11週連続で的中者が出ず、馬券の購入者たちの落胆が続いていた。しかし、トート社(Tote)は11月22日(土)には的中者が出て、500万ポンド(約12億円)の賭金プールから宝くじを圧倒するような巨額の払戻金を受ける賭事客が出るものと予想している。
スクープ6の売得金は、その50%が6重賞賭金プールに、20%がボーナス賭金プールに蓄積される。的中が無ければ、賭金プールはキャリーオーバー(繰越し)される。
すでに不的中によるキャリーオーバーが、6重賞賭金プールに203万7527ポンド(約4億8901万円)、ボーナス賭金プールに90万4426ポンド(約2億1706万円)たまっている。トート社は11月22日のスクープ6には400万ポンド(約9億6000万円)が賭けられると予測している。賭金からプールに蓄積される金額を加えると、6重賞賭金プールは350万ポンド(約8億4000万円)に、ボーナス賭金プールは150万ポンド(約3億6000万円)に一挙に膨れ上がることになる。
もし、一人だけ6重賞を的中させ、さらに翌週の土曜日のボーナスレースの勝馬を当てることができれば、その者がロトの大当たりをはるかに上回る巨額の払戻金を手にすることになるだろう。その額は22日現在のロトの当せん金プール460万ポンド(約11億4000万円)をも上回ることになるのだ。
トート社はスクープ6の対象6レースの選定を11月21日に完了した。対象レースは実況中継される可能性がある。
選定されたレースは次のとおりである。リングフィールド競馬場の午後2時10分、2時40分および3時20分発走のレース、3時50分のレース(これがスクープ6の最終レースとなる)は予想どおりで、ほかにヘイドック競馬場の2時45分発走の4800mのハンデキャップチェイス競走とハンチンドン競馬場の5200mのハンデキャップハードル競走(発走時刻は2時55分から3時30分に変更)が選ばれた。
この記事を執筆している時点で、6レースへの出走馬は75頭登録されており、それらのレースはすべてチャンネル4(Channel 4)で実況中継される見込みである。トート社はスクープ6の歴史において最も重要な日の準備に余念が無く、同社は今週サッカーチームのハルシティのマネージャーであるフィル・ブラウン(Phil Brown)氏にこの特別な土曜日のプロモーションに協力を求めた。トート社のスポークスマンのダミアン・ウォーカー(Damian Walker)氏は、11月22日には少なくとも1人は的中者が出るだろうと確信している。
ウォーカー氏は、「今週にはきっと的中者が出るでしょう。先週土曜日(11月15日)にスクープ6の5番目のレースが終わった時点では、まだ19枚の馬券に可能性が残っていました。最終レースで的中馬券が出るのはほぼ間違いないと思ったのですが、的中なしでした。今回は15日の賭金の2倍の金額がプールに賭けられるでしょうし、指定されているレースの出走頭数も少なく、的中の可能性は高いでしょう」と述べた。
同氏は、「先週土曜日のスクープ6の売上げは200万ポンド(約4億8000万円)でした。今回はその倍になるでしょう。競馬はスクープ6のような宝箱(すなわち一般の人々の興味をひきつける魅惑的な賭事商品)を探し続けてきました。それは少額の賭金で巨額の現金を得られる賭事商品なのです」と付言した。
ロト運営業者キャメロット社(Camelot)のスポークスマンのロブ・ドゥワイト(Rob Dwight)氏は怪物馬券スクープ6には特に感銘を示さず、「スクープ6と国営宝くじとは単純に比較できません。2つの賭博の顧客層は明らかに異なっています。英国人の70%は定期的に国営宝くじを買っています。国営宝くじには公益のためにお金を集める独自の役割があります」と語った。
By Lee Mottershead
ついにスクープ6の2ポンド馬券8枚が的中
11月22日はトート社にとって、スクープ6馬券の売上げが400万ポンド(約9億6000万円)を超え、記録更新の日となった。この日の夜、スクープ6の的中馬券たった1枚(2ポンド)で43万7011ポンド(1億488万2640円)の思いがけない高額配当を得た賭事客はお祝いをしていることだろう。
スクープ6は連続不的中により賭金プールにキャリーオーバー分が溜まったことにより、ファンの関心が高まり、22日の土曜日の売上げは416万7091ポンド(約10億円)と、前週の200万ポンド(約4億8000万円)という記録を簡単に更新した。スクープ6フィーバーが最高潮に達したことは、タイムズ紙(The Times)が22日のニュース欄で4ページ割いて紹介するほどであった。
リングフィールド競馬場の22日3時50分のレース(スクープ6の6 番目のレース)が始まる時点では37枚の馬券に6重賞の的中可能性が残っていた。このレースでダフ(Duff)が優勝した結果、そのうち8枚が6重賞的中となり、6重賞賭金プール349万6091ポンド(約8億3906万円)を分け合うことになった。
うち1枚はニューベリ近郊のザットチャムに住む賭事客がスタンジェームズ社(Stan James)のベッティングショップで購入していた。また2枚はハリー・フィンドレー(Harry Findlay:プロの賭事客かつ種牡馬シンジケート運営者)氏が買ったものだ。同氏が22日に本紙に語ったところによると、自身の所有する1歳馬を売却することを検討していた同氏は、この検討を中断してキャリーオーバーが膨れ上がったスクープ6賭事を行ったのであり、次の土曜日のボーナスレース(ヘネシーコニャック・ゴールドカップが指定される模様)も的中させてボーナス賭金プール152万9525ポンド(約3億6709万円)からの配当金も得ようと期待を膨らませている。
トート・スポーツ社(Tote Sport)の広報担当ダミアン・ウォーカー氏は11月22日、次のように述べた。「本日、スクープ6の賭金は410万ポンド(約9億8400万円)でした。これは今年前半のチェルトナムフェスティバル開催のトートスポーツ・ゴールドカップの日の賭金を上回ります」。
「英国中のベッティングショップには、人生を変えるほどの大金を獲得しようとする大勢の賭事客が殺到しました。ニューベリ近郊のスタンジェームズ社のベッティングショップで、1人の賭事客が43万7011ポンド(約1億488万円)の大金を手に入れて夢を実現しました。その賭事客は来週末に施行されるボーナスレースのために遠くに旅行する必要はないでしょう。ボーナスレースはおそらくニューベリ競馬場で施行されるヘネシーコニャック・ゴールドカップが 指定されるからです」。
トート・スポーツ社は、土曜日のスクープ6の賭金総額を対象とする固定オッズ賭けを受け付けた。賭金総額が400万ポンドを上回る方のオッズを51倍で提示した。
ところが、11月21日(金)までにオッズを3倍に下げ、ついにトート・スポーツ社はこの賭事の受付を打ち切らざるを得なくなった。400万ポンドを上回る方に賭けていた人々は昨日からのトート社の賭金総額の発表を聞き喜んでいるだろう。
ウォーカー氏は、「この賭事単独による損失は、おそらく6桁の範囲でしょう。でも、1日にスクープ6で400万ポンドの賭金が入れば、その損失も笑顔で処理できます」と述べた。
By Gavin Beech and Graham Dench
トート社、英国中が注目した記念すべき日の賭事報道にご満悦
スクープ6に対してメディアが11月23日に示した関心は22日ほど大きくはなかったが、それでもトート社は賭事史上で最大の出来事が報道されたことを喜んでいる。
22日新聞、テレビおよびラジオの放送局はどれも、リングフィールド競馬場のスクープ6の最初のレースまでの数時間を、スクープ6フィーバーの報道にあてた。このキャリーオーバーによって払戻し原資(賭金プール)が膨れ上がる方式の賭事に関して、タイムズ紙がニュース欄を4ページ割いて報道したことは、メディアの関心の高さを示すものだ。
しかし、翌23日の新聞報道は、ピープル紙(People)だけがそのニュース欄にスクープ6の話題を掲載する価値があると考えたようで、他紙のスポーツ欄での報道は大幅に減少した。
トート社のスポークスマンのダミアン・ウォーカー氏は、「もし的中者がたった1人であったら、さらに大評判となっていたでしょう」と述べた。
同氏は、「それにしても、私たちは22日の土曜日から日曜日にかけての凄い報道に満足しています。レーシングUK社のピーター・ノートン(Peter Naughton)氏がこのスクープ6を的中させ、ITVのトップニュースとして取り上げられました。最終的に、このように大々的に報道されることは競馬 にとって極めて重要なことです」と付言した。
By Lee Mottershead
(1ポンド=約240円)
[Racing Post 2008年11月22日「Record-breaking amount up for grabs ―and Tote predict it will be won」, 11月23日「Glory for £2 punter as eight share Scoop6 millions」 11月24日「Tote happy with media coverage of bet’s big day」]