賭博犯罪および不正資金洗浄の疑いで12名を起訴(アメリカ)【その他】
連邦当局は1月7日、コスタリカを本拠とするウェブサイトとコールセンターを使ってスポーツ賭事および不正資金洗浄を行ったかどで賭事業者12名を起訴した。
すなわち、ニューヨーク南部地区検察局(United States Attorney for the Southern District of New York)とニューヨーク連邦捜査局(New York office of the Federal Bureau of Investigation)は、主犯格のカルメン・シカリーズ(Carmen “Buddy” Cicalese)が、コスタリカにあるウェブサイト“datawager.com”と“betwestsports.com”およびコールセンターを 使って、違法なスポーツ賭事[名称は“シカリーズ・ワイヤルーム(Cicalese Wireroom)”]を運営したとして起訴した。
“datawager.com”にアクセスしてみると、このサイトが過去に、また現在でも競馬に関する賭事も扱っていることがわかる。
これらの措置は、違法な海外賭博サイトを規制する連邦当局の取締りの最新例であり、とりわけ、法の抜け穴を塞ぐためのものである。起訴状によれば、シカ リーズ・ワイヤルームは賭けの受け付けをしないということになっていたが、賭事客は電話(フリーダイヤル)または上記2つのウェブサイト(いずれもシカ リーズ・ワイヤルームが維持)を通して賭けを申し込んだものと思われる。賭金と払戻金の受払いは、“米国内で営業するスポーツ賭事業者”が行い、シカリー ズ・ワイヤルームは、“米国内で営業するスポーツ賭事業者”から“賭事客の登録手数料”を徴収していた。[訳注:賭事客は米国内で営業するスポーツ賭事業 者との間で“シカリーズ・ワイヤルームのサイトに掲載されたオッズを使って”賭けを行った]。
2006年の違法インターネット賭博禁止法(Unlawful Internet Gambling Enforcement Act)は、米国の顧客と海外賭博サイト間のクレジットカード決済による賭博取引を阻止するように銀行に求めている。
起訴状によれば“シカリーズ・ワイヤルーム”は、各々が非常に多くの客を持つ数百の賭事業者から米国在住の“集金人”を利用して手数料を徴収するという方法によって違法インターネット賭博禁止法の抜け穴を悪用していたと見られている。
12名それぞれが賭博関連の犯罪容疑で起訴された。シカリーズほか2名が不正資金洗浄の共同謀議で起訴されている。
15ページにおよぶ起訴状には、パキスタンを本拠とする送金組織を経由した2006年2月24日の10万4,500ドル(約1,254万円)の商取引を含むおびただしい件数の金の移動が記されている。
連邦当局によれば、被告は違法賭博行為で得た収益のうち、少なくとも400万ドル(約4億8,000万円)を没収される見込みである。
By Frank Angst
(1ドル=約120円)
[thoroughbredtimes.com 2008年1月7日「Dozen charged with gambling, money laundering」]