ダート馬場と人工馬場の予後不良事故率はほぼ同じ(アメリカ)【その他】
人工馬場でのレースにおける生命を救うことが困難な予後不良事故率は、2007年6月に開始された全国競走馬故障報告制度から集計した統計(速報値)では、従来のダート馬場の予後不良事故率とほぼ同率であった。
42競馬場の管理担当獣医師が、この報告制度に参加している。この制度の考案者であるメリー・スカレー(Mary Scollay, D.V.M.)獣医学博士は3月10日、キーンランド競馬場で開催された競走馬福祉・安全サミット(Welfare and Safety of the Racehorse Summit)で、初期段階の統計の分析結果を報告した。
スカレー氏は報告の中で、故障馬名と個々の競馬場名を公表しなかった。
調査開始以後の予後不良事故率は、ダート馬場における延べ出走頭数1,000あたり1.96件発生し、一方人工馬場においては延べ出走頭数1,000あたり1.95件発生した。
調査当初の2、3ヵ月は、人工馬場の方が良好な結果を示し、2007年初秋までの予後不良事故率はダート馬場における延べ出走頭数1,000あたり1.79件で、人工馬場における延べ出走頭数1,000あたり1.19件であった。
コルダー競馬場とガルフストリームパーク競馬場に所属する獣医師のスカレー氏は、「統計は人工馬場が所期の機能を発揮しており、ダート馬場よりもかなり良いことを示していますが、他方いくつか問題があることを示しています。これは必ずしも悪いニュースだとは思いません。その他多くの角度から分析を進めています」と語った。
予後不良以外の事故は、人工馬場における延べ出走頭数215あたり1件の発生に対して、ダート馬場における延べ出走頭数136あたり1件の発生であり、人工馬場のほうが好成績を示した。
南カリフォルニア馬事財団(Southern California Equine Foundation)の理事長であるジェフ・ブレア獣医学博士(Jeff Blea, D.V.M.)は、2007年に南カリフォルニアで関節鏡視下手術が15.8%、球節部骨折治療が19.6%、それぞれ減少したと報告した。2007年の南カリフォルニアにおいて、ハリウッドパーク競馬場では年間を通してクッショントラック馬場が使用され、デルマー競馬場では秋開催からタペタ馬場、サンタアニタ競馬場ではオークツリー開催からポリトラック馬場が使用された。
By Jeff Lowe
[thoroughbredtimes.com 2008年3月17日「Program reports fatality rates for dirt, synthetic tracks nearly equal」]