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海外競馬情報
2008年04月04日  - No.7 - 5

人工馬場市場に新たな“セーフトラック”が参入(アメリカ)【その他】


 2月11日、人工馬場市場に有望な新製品が正式に仲間入りした。この日、オカラ・ブリーダーズ・セールズ社(Ocala Breeders’ Sales Co.: OBSC)のデー・オブ・チャンピオンズ(Day of Champions Presented by Darley)トレーニングセールがオカラ調教センターの人工馬場“セーフトラック”を使って初めて開催された。

 セーフトラックは全天候型人工馬場であり、多孔質岩石を基礎に、石油化学繊維膜、粗い珪砂と細かい珪砂、ワックスおよび伸縮素材を含有する。

 開発者のデイヴィッド・アンドリューズ(David Andrews)氏とサイモン・ボーエン(Simon Bowen)氏は以前、ポリトラックとクッショントラックのメーカーで働いていたが、3年ほど前に独立した。当初はイギリスを本拠とし、その後オカラに事務所と製造センターを設けた。

 オカラのゴールドマーク調教センターは、北米で最初にセーフトラックを敷設した施設であり、OBSCが2007年秋に導入した。

 5つの模擬レースでは、先行逃げ切り馬、中段差し馬、追い込み馬が1着入線し、セーフトラックは特定タイプの馬には有利に働くことはないと望んでいた人々を喜ばせた。

 アンドリューズ氏は、「使いぞめに立ち会えて大変光栄です。騎手たちはこの馬場について土砂のはね返りがないことに感嘆しています。調教師、馬主、コンサイナー(上場人)からも多くの賞賛をいただきました。馬がまさに馬場の上を滑るように進み、どの位置取りからでも1着入線できるのが見られて良かったです」と語った。

 展示走行で14頭が1ハロン10秒で走ったが、ほとんどのコンサイナーは、タイムが早かったのはセーフトラックが走りやすい馬場だからだと、肯定的に評価した。

 ウェイバートリー牧場(Wavertree Stables)のキアラン・ダン(Ciaran Dunne)氏は、「馬はまさに馬場の上をさっと走りぬけました。理想を言えば、馬体を鍛えるためにもう少し重い馬場の走路で調教した後、展示走行させればよかったと思います。馬は元気に戻ってきました。従来の馬場に比べると馬の疲れが少ないようです。誰からも不満の声はありません。信じられないくらい良い結果でした。その一方で、人工馬場は馬の能力を過大評価させるという人もいます。人工馬場ではどのような馬でも好走するというイメージが強すぎるように思います」と述べた。

 サンタアニタパーク競馬場におけるクッショントラックの水はけ問題を踏まえ、セーフトラックの排水機能の優秀性を示すために、セリ開催中OBSCのロビーで新製品の見本を公開した。

 アンドリューズ氏は、「サンタアニタの状況は人工馬場産業に不利に働いたと思いますが、適切に敷設されれば人工馬場は間違いなく素晴らしいものです。さらに研究が進めば、この産業はもっと発展するでしょう」と語った。

By Pete Denk

[Thoroughbred Times 2008年2月23日「Safetrack debuts at OBSC to rave reviews」]


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