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海外競馬情報
2009年09月18日  - No.18 - 1

フランス場外馬券発売公社、賭事事業を多角化(フランス)【開催・運営】


 この春にフランス場外馬券発売公社(Pari Mutuel Urbain: PMU)会長に就任して以来、フィリップ・ジェルモン(Philippe Germond)氏は、「PMUは競馬賭事市場の開放を機会に事業の多角化を行う」と明言してきた。

 8月18日ジェルモン氏は、クレールフォンテーヌ競馬場で開催された生産者組合の総会[議長ベルナール・フェラン(Bernard Ferrand)氏、出席者200人]に出席し、生産者に対して初めて公式に発言した。生産者たちはこの会合で、今後PMUを統率して賭事市場開放問題を 取り仕切り、競馬界に資金を還元する役割を担う人物と初めて接した。ジェルモン氏は、“PMUは賭事市場開放という逆境を好機に変えるのに専念する”とい う基本方針のほか、次のような重要なメッセージを伝えた。

 「エリック・ヴォルト(Eric Woerth)予算大臣の指揮の下に作成されたインターネット・スポーツ賭事市場の開放に関する法案の成立後の状況を考えれば、PMUにとって事業の多角化は、賭事売上げの面で業績を伸ばし続ける最良の武器となります」。

 「それゆえPMUは、将来の競争相手と同様に幅広い商品を提供するつもりです。具体的には、PMUは競馬賭事と最も競合するサッカー賭事を提供すること になるでしょう。もう1つ重要な点は、PMUにとって顧客データベースは事業の要(かなめ)であるということです。したがって、事業の多角化はPMU自身 で行い、外部の賭事業者と提携することは考えていません」。

 賭事市場開放は、最も可能性が高いシナリオでは2010年の第2四半期になる。ジェルモン氏が率いるPMUは、それまでに準備を完了させなければならな い。競馬界への資金を調達する役目を担う同氏は、「将来の競争相手がゲーミングと通信技術に関して豊富な専門知識をもつことを考慮すれば、争いは厳しいも のとなるでしょう」と少し不安をのぞかせる反面、「PMUのイメージ、名声および企業倫理は卓越したものであり、この切札をフルに生かしながらあらゆる手 段を講じる所存です。事業の多角化によって他のスポーツを通して新たな顧客を獲得することもできます」と強調する。

 数週間後にテレビの公共チャンネルに競馬中継が復活を果たすことでも、ジェルモン氏は賭事市場解放に向けひとつの道ならしをしたことになる。同氏はま た、7月14日と8月14日に発生した機械故障について、「賭事を受付ける企業においてこのようなデータ処理機能の故障はあってはならないことです。これ は異常事態です」とはっきりと述べた。

 競馬関係者に情報公開しその洗礼を受けるために、ジェルモン氏は正確かつ詳細な白書を作成した。同氏に残されている責務は、PMUを率いて賭事市場開放に向けて準備を整え、競争に勝つことである。

 

By Francois Hallope

賭事市場開放も展開

 フランスのインターネット賭事の売上げは、賭事売上げ全体の約7%を占めるが、その割合は漸増傾向にある。

 インターネット・スポーツ賭事市場の開放に関する法案は、フランス国会の上下両院ともまだ可決していない。発効(2010年1月1日)後はPMU以外の賭事業者も賭事免許を取得できるが、準備期間を考慮すると2010年4月までに賭事免許が交付されることはないだろう。

 同法案によれば、競馬賭事を受付ける者はパリミューチュエル賭事方式を利用しなければならず、売上げの8%を競馬界に還元しなければならない。しかし、他のスポーツを対象にした賭事は固定オッズで受付けることができる。

 

By Desmond Stoneham


[Paris Turf 2009年8月19日「“Le PMU va proposer des paris sportifs”」
[Racing Post 2009年8月19日「France’s PMU to branch out into other sports」]


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