違反増加を受けて鞭使用ルールを厳格化(アイルランド)【開催・運営】
アイルランドにおける鞭使用法違反の増加にかんがみ、ターフクラブ(Turf Club)はルールを厳しくした。
このルール変更は、必要以上の力と必要以上の頻度で鞭を使用することに関するルールを明確にし、とりわけ“馬に対して鞭による指示に反応する時間を与える”というコンセプトを導入する。
ターフクラブの最高経営責任者デニス・イーガン(Denis Egan)氏は、「今回の措置は、現行の鞭使用ルールを騎手と裁決委員にとってより明確なものにするためです」と述べた。
同氏は次のように語った。「私たちは現行の鞭使用ルールをより詳細にし、何が認められ何が認められないのか線引きを明確にしました。今シーズン開始後の 数ヵ月間に、鞭使用ルール違反が疑われるケースが少し増えました。私たちはルールの統一的な適用が可能となるよう、ルールをもっと細かく規定することにし ました。これにより、騎手たちは何が認められ何が認められないかが明確でないという言い訳ができなくなるでしょう」。
ターフクラブの規則担当者のヴィンセント・ヒューズ(Vincent Hughes)氏は次のように語った。「私たちは馬に必要以上の力と必要以上の頻度で鞭を入れることに関してさらなる説明を加えました。裁決委員のルール 適用により多くの手掛かりを与え、さまざまな状況においてルールの意味を騎手に具体的に説明するために、この決定はなされました。これは英国の鞭使用ルー ルとほぼ一致しています」。
必要以上の力と必要以上の頻度で鞭を入れることは引続き禁止される。ターフクラブの競馬施行規程第10条とアイリッシュ・ナショナルハント・スティープ ルチェイス(Irish National Hunt Steeplechase)の委員会規則には新たに、「鞭を使用する場合、騎手は馬に対して鞭による指示に反応する時間を与えなければならない」と規定さ れた。
この鞭使用ルールの適用に当たって裁決委員は、(1) 鞭を入れたあと当該馬が加速し始めているにも拘わらず、引き続き連打したかどうか、(2) 当該馬のこれまでの鞭に対する反応(鋭敏かそうでないかなど)からみて、必要な回数であったかどうかを調べる。
次に掲げる鞭使用は禁止となる。(1) 例外的な状況を除き、鞭をフォアハンド(逆鞭)で握り鞍の前に鞭を入れること、(2) 前躯に執拗に鞭を入れること、(3) 以下のときに鞭を入れ続けること。i. 十分に勝ち目があるとき、障ノ. 後続を十分引き離して先頭に立っているとき、障ハ. ゴール板を過ぎた後。
By Tony O’Hehir
[Racing Post 2009年8月12日「Turf Club tightens up whip rules after rise in offences」]