国際トート通信手順標準化委員会、改訂版システムを採用(アメリカ)【開催・運営】
国際トート通信手順標準化委員会(International Tote Protocol Standards Committee:ITPSC)は12月9日の第2回年次総会において、国際トートシステムのオンライン通信手順バージョン6.0を採用することを承認 した。
(訳注)オンライン通信手順とは、ネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行う上で、相互に決められた約束事の集合。
サラブレッド競馬保安協会(Thoroughbred Racing Protective Bureau)の賭事分析担当理事J・カーティス・リネル(J. Curtis Linnell)氏は、北米の競馬は2009年第3四半期までに最新バージョン6.0を導入するだろうと述べた。この措置により賭事客は公正が確保され安 心して賭事を行うことができ、賭事に関する商品と情報がさらに豊富になるだろう。
バージョン6.0は、異なった賭事業者が異なるタイプの賭事(馬券)を提供することを可能にする。ただし、ニューヨーク競馬協会(New York Racing Association)が提供しているグランドスラム賭事は、1〜3レース目の複勝と4レース目の単勝を連続して的中させなければならず、すべての賭事 業者の発売システムがこれに対応できるわけではないので、この賭事は米国内で全国展開できない。
公正確保の観点から見ると、バージョン6.0は通信障害を見つけるのに要する時間を短縮する。現在の通信手順では、障害を見つけるのに45秒もの長い時 間が掛かり、ホストコンピュータで発売を締切っても、レースの発走後も賭事プールを開いたままにする事態を及ぼすこともあった。新バージョンは6秒以内に 障害を検出する。
リネル氏は、初年度には各国・地域の代表31人で構成されていたITPSCは、今年42人に拡大されたと語った。同氏はまた、12ヵ国からの参加者が1年間を通して意見交換できたことについてジョッキークラブに謝意を述べた。
By Ed DeRosa
[thoroughbredtimes.com 2008年12月10日「International Tote Protocol adopts version 6.0」]