競馬ファンの間でもブームのソーシャル・ネットワーキング(イギリス)【その他】
ウェブサイト上の“ソーシャル・ネットワーキング(社会的ネットワークの構築)”の技術は、競馬の世界でも活用されている。
[訳注:ソーシャル・ネットワーキング・サービスとは、人と人とのつながりを支援・促進するコミュニティ型のWebサイトのことで、友人・知人間のコ ミュニケーションの場とコミュニケーションを円滑にする手段を提供し、趣味や嗜好、居住地域といったつながりを通じて新たな人間関係を構築する会員制サー ビスのこと。近年、効率的な広告媒体としても脚光を浴びている]。
世界的規模で展開されている競馬産業において、今日、競馬に関わる多くの人々は社会的関係というものが競馬そのものよりも重要とは言えないにせよ、同じくらい重要だと考えている。
代表的なソーシャル・ネットワーキング・サービスであるフェースブック(Facebook)は、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏によって創設された。フェースブックは、もともと大学の生徒がお互いにコミュニケーションでき、しかも誰もがいつでもどこからで もアクセスできるようにすることを目的に立ち上げたものである。
競馬関係のソーシャル・ネットワーキング・サービスの1つに、ワールド・レーシング・ネットワーク(World Racing Network: WRN)がある。http://worldracingnetwork.comというサイトを開くと、競馬に対する関心や情熱を共有するネットワークが構 築されている様子が分かる。このサイトは“世界で最良であり唯一の競馬に関する専門のネットワークサイト”であると自負している。唯一ではないが、相当濃 密なレベルといえる。
WRNとフェースブックを比べると、イベント、ビデオそして写真のページなど多くの要素が類似している。これらのサイトでは、会員同士で友人になった り、メッセージを送ったり、特定のグループを設立したり、それに参加したりすることができる。お知らせコーナーには、会員の最近の活動が情報として掲載さ れる。
WRNの“グループ”のコーナーを見ると、現在6つのグループがあり、その中には、チェルトナム開催愛好者(Cheltenham Festival Lovers)グループやハンチンドン競馬場(Huntingdon Racecourse)愛好者グループが含まれる。また、英国厩務員協会(British Grooms Association)グループやデザートオーキッド(Desert Orchid 1990年前後に活躍し国民的人気を集めた障害馬で2006年没)のファングループもある。
WRNの創設者サム・モリス-ワーバートン(Sam Morris-Warburton)氏は、英国中の厩舎スタッフがグループを作る日を待ち望んでいる。さらにWRNは、調教師がシンジケート馬主のメン バーと連絡を取りあったり、友人同士で毎年チェルトナム開催への長旅を企画したりする際に理想的な場となるかもしれない。
By Tom Boyle
[Racing Post 2009年3月24日「Social networking for the racing fan」]