ロンシャン競馬場、2012年凱旋門賞後に改築のため一時閉場(フランス)【開催・運営】
フランスギャロ(France Galop)は、長い間懸案となっていた全天候型馬場敷設を含むロンシャン競馬場の改築計画の詳細を明らかにした。
改築費用5500万〜7500万ユーロ(約71億5000万〜97億5000万円)と見積もられているこの計画は、2011年に建築家を選出することから始まるだろう。その後、ロンシャン競馬場は2012年凱旋門賞(G1)開催の後、20ヵ月間閉場される。
グランドスタンドの一部は取り壊しとなり、残った建造物にリフォームが実施される。また、パドックは完全に再設計され、隣接する出張厩舎に40馬房が追加されるだろう。
また、年間30日の競馬開催を45〜50日に増加させることを目的に、全天候型馬場が追加される。新たな施設は、会議やイベントにも使用されるだろう。
フランス最大の競馬場であるロンシャンは当初、2012年オリンピック開催地にパリが選ばれたときに馬術競技の開催地として利用できるよう改築するため に、2008年に一時的に閉場することが計画されていた。しかし、ロンドンが2012年オリンピック開催地に選ばれたためにロンシャンの改築は延期されて いた。
フランスギャロの役員であり、一流長距離馬カスバーブリス(Kasbah Bliss)の馬主であるアンリ・ド・プラコンタル(Henri de Pracomtal)氏は、「新しいロンシャン競馬場は、いっそう機能的でくつろげる快適で緑に満ちたものになるでしょう。また、フランスの平地競走の国 際的なショウウィンドー的存在でありつづけるでしょう」と語った。
ロンシャン競馬場が閉場している間、凱旋門賞の開催地候補の1つに挙がっているのは、フランスで最も美景の競馬場であるだけではなく、数年間の投資を経て最先端の競馬場となったシャンティイ競馬場である。
しかし、シャンティイ競馬場では5万人の観客を迎えることは難しく、とりわけ10月初めの悪天候時には、スタンドの屋根の下にすべての競馬ファンが入ることが出来ないことが懸念される。
2006年にフランスギャロの当時の事務総長であるルイ・ロマネ(Louis Romanet)氏は、ロンシャンの閉場中には英国のアスコット競馬場で凱旋門賞を開催するように提案したが、この意見はフランス国内での支持をほとんど得られなかった経緯がある。
By Desmond Stoneham
(1ユーロ=約130円)
[Racing Post 2009年12月6日「Longchamp to close for revamp after 2012 Arc」]