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海外競馬情報
2010年05月28日  - No.10 - 2

PMUの“満足できる”2009年の業績(フランス)【開催・運営】


 PMU(フランス場外馬券発売公社)は、インターネット賭事市場の独占状態が2010年に終わる前の最終決算となる2009年の業績が満足できるものであったと表明した。

 2009年の賭事売上げは前年比0.4%増の93億ユーロ(約1兆2,090億円)となったが、PMUの支出が5億700万ユーロ(約659億 1,000万円)とわずかながら上昇したため、競馬への拠出額は600万ユーロ(約7億8,000万円)減少して7億3,100万ユーロ(約950億 3,000万円)となった。PMUの支出には、大きな成功を収めた競馬チャンネルであるエキディア(Equidia)への資金提供が含まれている。

 フランス政府は、欧州最大の賭事運営会社PMUのおかげで、11億ユーロ(約1,430億円)を少し超える資金提供を受け、国庫を潤してきた。

 PMU会長に就任してちょうど1年が経つフィリップ・ジェルモン(Philippe Germond)会長は4月13日、パリで行われた記者会見においてこれらの数字を発表した。

 同会長は、「現在の経済情勢と違法賭事業者により行われた賭事の総額を考えれば、2009年のPMUの業績は満足のいくものでした。昨年4月にPMU会 長の職を引き継いだとき、私は競馬場に行ったことがなく馬券を購入したことがありませんでした。今では、私は雰囲気を楽しむためにカフェを兼ねる場外馬券 売場であるPMU店舗に行きます。ただ今でも馬券は絶対に購入しません」と述べた。同会長としては馬券の購入は許されていない。

 ジェルモン会長は、「今や競馬は神聖なスポーツであると感じています」と付言した。

 馬券売上げの74.8%は配当金として賭事客に払戻された。売上げが29億ユーロ(約3,770億円)に上る成長部門である単勝・複勝馬券の控除率は、たった15%である。

 しかしインターネット賭事は、さらに急速に成長している。インターネット賭事客は6億6,100万ユーロ(約859億3,000万円)の賭事を行い、こ の数字は前年比22%増であり、6月上旬に競馬のインターネット賭事市場が他の免許を有する賭事業者に開放されればより大きな成長が見込まれる。

 フランスでの賭事の大多数は依然として、全国に散在している1万400軒のPMU店舗(2010年末までには1万800軒になると見込まれる)により受付けられている。

 統計によればPMUのウェブサイトで30万の顧客が賭事を行っており、アイフォン(iPhone)を通した売上げは2010年の第1四半期には前年同期比216%増が確認された。

 PMUは5月上旬に、顧客に向けて、口座に自動的に振り込まれた資金によって自分の好きなやり方(PMU店舗、インターネット、携帯電話など)で馬券を購入できるようにするカードを導入する予定である。このことにより、フランスの賭事は21世紀型になるだろう。

 PMUは、免許付与機関であるARJEL(インターネット賭事統制機構)が新参の賭事業者を認可したときに彼らと戦う準備は十分にできていると考えている。

 PMUは、競馬に対して伝統的なパリミューチュエル式の賭事を提供し続けるだろうが(競馬に対する固定オッズはまだ禁止されている)、インターネット事 業の20〜25%を占めることが期待されている固定オッズのスポーツ賭事市場やオンラインポーカーなどにも手を広げるだろう。

 ジェルモン会長は、6月の南アフリカでのワールドカップ開催直前に予定されているインターネット賭事市場の開放に備えて提携者を募っている。

 パディパワー社(Paddy Power)は、固定オッズに関する専門知識をPMUに提供するだろう。またパーティーゲーミング社(PartyGaming)は、ポーカー事業を支援するためにPMUと契約を交わした。

 

By Desmond Stoneham
(1ユーロ=約130円)


[Racing Post 2010年4月13日「Pari Mutuel figures for 2009 'satisfactory'」]


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