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海外競馬情報
2010年05月28日  - No.10 - 3

薬物規制標準化委員会、フェニルブタゾンの閾値引下げを勧告(アメリカ)【獣医・診療】


 薬物規制標準化委員会(Racing Medication and Testing Consortium: RMTC)の理事会は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であるフェニルブタゾン(phenylbutazone)の推奨閾値を60%引き下げた。

 RMTCは科学諮問委員会(scientific advisory committee)からの勧告に基づき、血漿あるいは血清1 mlにつき5㎍(マイクログラム)だったフェニルブタゾンの閾値を2㎍(マイクログラム)に引き下げる。現在のモデルルールの下では、フェニルブタゾンは フルニキシン(flunixin)とケトプロフェン(ketoprofen)とともに認可されている3つのNSAIDの1つである。

 RMTCの委員長でありカリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board: CHRB)の馬医療担当理事であるリック・アーサー(Rick Arthur)博士は、「この措置は、監督獣医師が表明してきたNSAID投与が競走前検査に与える影響についての懸念に応えるために取られました」と 語った。

 監督獣医師は、NSAIDが競走日に馬体内に存在していれば競走前検査の実行に支障をきたすと確信しているため、より低い閾値を要求していた。北中米競 馬委員会協会(Association of Racing Commissioners International)の規制獣医委員会(Regulatory Veterinarian Committee)の委員長であるトム・デヴィッド(Tom David)博士はこの変更を賞賛した。

 ルイジアナ州競馬委員会(Louisiana State Racing Commission)の馬医療担当理事も務めるデヴィッド博士は、「私たちはこの前進に満足しており、RMTCが監督獣医師の懸念に対処してくれた意欲 を評価します。私たちはこの課題についての対話が続けられることを期待しています」と語った。

 アーサー博士は、RMTCがそれらの懸念は道理に適うものであったと結論付けたと述べた。

 同氏は次のように付言した。「RMTCは、NSAIDの閾値レベルが競走前検査に支障をきたす可能性があるという監督獣医師の懸念は正当化できるものであると考えました。認められるフェニルブタゾンの閾値レベルは正確に測ったものであり適切なものです」。

 科学諮問委員会はNSAID使用へのさらなる規制が適切であるかどうかの調査を続行するだろう。

 

By Frank Angst



[thoroughbredtimes.com 2010年4月15日「RMTC recommends lower phenylbutazone threshold」]


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