アイルランドの産駒数、記録的な減少(アイルランド)【生産】
ウェザビーズ社(Weatherbys)の最新の統計によれば、アイルランドの産駒数は2010年に前年比で25%減少し、ピークだった2007年よりも40%減少した。
そしてその減少が収まる兆候はまだない。当初は、2010年のアイルランドにおける交配は2009年の1万4,000件に対して、1万3,000件あたりになるだろうと見られていた。
英国における交配も、2009年の6,500件から6,100件に減少すると予想されている。
ウェザビーズ社のポール・グリーヴス(Paul Greeves)部長は、同社の『2010年繁殖牝馬報告書(2010 Return Of Mares)』が発行される前日に、「明らかに2011年には産駒登録数の更なる減少が予測される徴候があります」と語った。
グリーヴス部長は、2007年以来のサラブレッド生産頭数の減少を"今だかつてない速度と規模"と表現した。
アイルランドの産駒登録数は、2007年に1万2,022頭でピークを迎えてから、2009年には9,581頭、2010年には7,128頭に減少した。
一方イギリスの産駒登録数は、2007年の5,686頭、2009年の5,397頭から、2010年には4,522頭に減少した。
また受胎している繁殖牝馬の頭数も大幅に減少しており、イギリスでは、2009年の1万471頭から10%減少して2010年には9,423頭となった。
アイルランドの繁殖牝馬頭数は、2009年の1万8,616頭から17%減少して2010年には1万5,366頭となった。これはピーク時の2007年の2万606頭からの25%減を示している。
グリーヴス氏は次のように述べた。「2011年の産駒数は、大幅ではないにしてもさらに減少すると予測されます。産駒数は現場で明らかに減少していますので、需給の均衡が完全に崩れているかもしれません」。
「生まれてくる産駒数が需要を満たすのに十分ではないポイントまで来ているかもしれません」。
「繁殖牝馬を2011年に繁殖に供しようとする生産者がどうするかを決断する際には、多くの要因がからむでしょう。2010年に市場に生じたことは、その要因の1つとなるでしょう」。
「たとえ繁殖牝馬の数をすでに減少させていたとしても、さらに、有している繁殖牝馬のうちの何頭かは繁殖に供さないという慎重な判断をしたと語る一流生産者もいました」。
「彼らは、繁殖牝馬の数を減少させた後でも、市場が将来生産を待ち望むようになるとは信じていませんでした」。
By Richard Griffiths
[Racing Post 11月5日 「Ireland records big decrease in foal crop numbers」]