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海外競馬情報
2011年06月10日  - No.11 - 4

アイリッシュナショナルスタッドの売却勧告が出される(アイルランド)【開催・運営】


 アイリッシュナショナルスタッド(Irish National Stud: INS)のCEOジョン・オズボーン(John Osborne)氏は4月20日の夜、同牧場を売却するべきであると勧告する報告結果を受け、闘う構えであると宣言した。

 オズボーン氏は、経済学者のコルム・マッカーシー(Colm McCarthy)氏が実施したINSを含む国有財産の審査結果に落胆させられたと述べた。同氏は、「私たちはこれまで世界に誇る牧場を作り上げ発展させてきたにも拘わらず、それを解体するよう助言されました。誰もが羨む世界的な評価を構築してきたにも拘わらず、私たちは今やそれを手放さなければなりません。私は反対です」と付け足した。

 同氏は次のように続けた。「その報告書は私たちに経営継続能力があり、資産担保されていると結論付けています。それは、素晴らしい事業を行っている私たちの牧場が非常に売却しやすいというほめ言葉として捉えることはできます。しかし一方で、マッカーシー氏は私たちが競馬産業において果たしてきた、またこれからも引き続き果たしていこうとしている役割を全く理解していないと捉えることもできます」。

「報告書を読めば、より富をもたらすと考えられる国有財産は他にたくさんあります。その中で私たちが選ばれてお払い箱にされたということのようです。他の多くの国有財産は、交通機関、電力会社などを含めて非常に細かい点まで検討されましたが、最終結論は曖昧な方向付けでしかありませんでした」。

「現在は困難な時期であり、国有財産のバランスシートが精査を受けるときです。私たちはまさにその国有財産であり、私たちはその精査を受けなければなりません」。

「しかし国によるINSに対する合計1,300万ユーロ(約16億円)の投資は、65年間にわたる経済活動効果、農村地域における雇用創出、観光業の中心としての役割、競走馬生産業における指導的役割を考えれば大した額ではないと私たちは訴えます」。

 オズボーン氏は、マッカーシー氏の報告は断定的結論がほとんどなく、INSが国有財産のうちの1つとしか捉えられてないことは残念であると主張した。同氏は、「そもそも売却するには良い時期ではありません。最悪の時期における特価販売品のようです」と付け足した。

 同氏は、「しかし、私たちは立ち上がり、我が陣営のために闘わなければなりません。人々にマッカーシー氏は間違っていると立証しなければなりません。誰も名誉には頼れず、過去を利用することもできません。それが私たちが居る世界です。将来果たそうとしている役割をもって交渉しなければなりません。私たちは果たすべき役割があることを明確にするつもりです」と語った。

 INSは売却されるべきだというマッカーシー氏の結論は、欧州リーディングサイヤーのインヴィンシブルスピリット(Invincible Spirit)の繋養先であるINSを深刻な状況に置くと思われる。一方担当大臣は4月20日夜、マッカーシー氏の報告に含まれている全体で50億ドル(約7,000億円)と見積もられる国有財産の将来について急いで決定を下すことはしないと述べた。

 ブレンダン・ハウリン(Brendan Howlin)公共部門改革・歳出大臣は、「政府には受け入れることができない事柄もありますが、政府は必ずそれを議論し、そしてそれに対していずれ包括的な回答をすることになるでしょう。急いでそれらの国有企業を売却しようと考えるのは現実的ではありません。商業資産にとって現在の市場はどんな状況かという疑問もあります。また常にタイミングの問題もあります」と語った。

By Richard Grifiiths
(1ユーロ=約120円)

[Racing Post 2011年4月21日「Key report calls for sale of Irish National Stud」]
 


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