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2011年08月05日  - No.15 - 1

馬主協会の新会長、3つのクラスからなる競馬開催日程を提唱(イギリス)【開催・運営】


 馬主協会(Racehorse Owners’ Association: ROA)の新会長レイチェル・フッド(Rachel Hood)氏は6月23日、最低クラスの競馬開催でも競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)の支援や賞金条件に左右されることなく浮上出来る可能性のある“3つのクラスからなる競馬開催日程”を提唱した。

 この計画がさらに精査されるべきであることを認めた上で、フッド会長はロンドンで開催されたROA年次会議の初演説において、3つのクラスからなる競馬開催日程を“英国競馬界を真に野心的な構造にする抜本的方法”と言い表わした。

 第1クラスと第2クラスの開催日程は、ホースメングループ(Horsemen’s Group)と競馬場の間で合意されているホースメングループ提案の最低賞金額と競馬番組上の制約を遵守することになると、フッド会長は説明した。

 そして次のように続けた。「各クラスに一定数の開催日程が振り分けられ、競馬場は提供できる賞金額を基に3つのクラスのどれかに入ることになります」。

「土曜日に行われるフェスティバル開催と障害競走の主要日程だけは、3つのクラスとは別に現状どおり維持されます」。

 この提案は2009年10月に、設立されたばかりのホースメングループが進めていくべき案としてROAのCEOマイケル・ハリス(Michael Harris)氏によって概説された文書の形で初めて公表された。

 第3クラスの競馬開催日程においては競馬場のメディア権料が賦課公社からの賞金額提供に置き換わる形でいつでも競馬を開催できるという考え方は、経済不況による現役馬の頭数減少の見込みから浮上した。

 また、賦課公社からの資金で第1クラスおよび第2クラスの競馬開催日程を施行するコンセプトは当時は進展しなかったが、賦課金収入減少とそれをうけた主要な賞金提供の減少に取り組むという変更された目的に向けて、ROAの理念の下で再び浮上した。

 フッド会長は、賭事産業が開催日程の増加を要求するのであれば、ブックメーカーと競馬場の間の直接的な商業契約に基づいて実現されるべきであると述べ、次のように説明した。「第3クラスの競馬開催日程では、競馬場は自ら日時を選択して競馬開催を行うことで、入場者数を最大化させることができるでしょう」。

「競馬番組やレース条件に制約はなく、賞金額にも制約がないでしょう。自由な市場の力が支配することになるでしょう」。

「もし第3クラスの開催日程を価値ある興行としうるほどの出走馬、メディア権料支払いおよび入場者数を競馬場が惹きつけることができるならば、それは実現されなければなりません」。

 フッド会長は、多くの競馬場が現在のように賦課金から資金提供を受けた開催日程を維持する一方で、賦課金からではなく商業的に資金提供された開催日程を維持する競馬場もあることを確信していると述べた。

 そして次のように述べた。「少なくともいくつかの開催日程については、賦課金から資金の枠外となって競馬番組、開催日時および賞金に制約がなくなることで、より良く機能するということに競馬場は気付くでしょう」。

「このようなシステムは英国競馬特有の伝統を守るだけではなく、強化することになるでしょう」。

「それは私たちが馴染んでいる競馬開催日程の基本的な枠組みを維持し、重要な節目、つまり素晴らしいフェスティバル開催を際立たせ、それを基に事を進めることを可能にするでしょう」。

「そしてそれは英国チャンピオンズシリーズが繁栄するための完璧な環境を作り出すでしょう」。

 3つのクラスからなる競馬開催日程計画は、競馬が提供すべき最高のものを基にして開催日程を考案する手段であり、賦課金はほとんどすべてこれらの日程を維持するために支出されるとフッド会長は述べた。

 能力的に並みの競走馬による開催日程は、賭事産業が直接的に資金提供を行うべきであると同会長は述べた。

 同会長は、「このコンセプトの採用により英国競馬は健全になり、その財政を大幅に改善するための道が開かれることは疑いありません。私たちは今それを実行しなければなりません。手をこまねいて見ている時期は終わりました」と付言した。

By Howard Wright

[Racing Post 2011年6月24日「Hood urges tariff-free fixtures for bottom rung」]


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