競馬についての大規模な意識調査が実施される(イギリス)【開催・運営】
競馬開催日における顧客の体験をより良いものにすることは、競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)が競馬の魅力を広めようとする場合に専念する必要のある3つの重要分野の1つとされている。
今回の競馬産業全体の調査はインターネット上で行われ、その結果他の優先事項としてより広いメディアにおいて競馬の存在感を高めることや新しい観客に対して競馬の魅力を普及することが重要であることがわかった。
競馬界の主な構成員、すなわち賭事客、競馬ファン、馬主、調教師、生産者、厩務員、競馬場職員、その他競馬従事者を代表する3800人以上の人々が、“レーシング2015(Racing 2015)”という名の今回の調査プロジェクトに参加した。
この調査は、競馬関係者と中心的な顧客との対話を確かにすることを狙いとし、どうすれば競馬をより良いものにできるかについて発言する機会を提供した。
より広範囲に実施された同様の調査の結果はこの夏に発表される予定で、新しい課題の検討を目的としてこの調査を主導しているRFCに伝えられるはずである。
調査から明らかになった要点として、特別観覧席からの見晴らし、設備の質、競馬場の雰囲気の3点を既存の競馬ファンが競馬開催日の最重要要素と考えていることが含まれていた。
この調査の回答では、ベッティングショップの利用はあまり芳しくなく、回答者の1/4の人々が週1回の頻度でしか利用しておらず、人々がインターネット賭事に移行しつつあることがはっきりと示されていた。
調査によれば、競馬賭事客にとって競馬以外で賭事の対象となっているスポーツは唯一サッカーである。
競馬賭事客が英国競馬への賭金を減らしたということをRFCに示す根拠は何もなく、実際には回答者は英国競馬への賭金を累積的に増加させている。支出を抑えた人々の大半は、他のスポーツへの賭事を行ったためというよりも、金銭事情の変化のためである。
調査によれば85%の人々は毎週テレビで競馬を観戦しており、42%の人々は毎日衛星放送にチャンネルを合わせている。特に若年層ではインターネットでの競馬観戦の重要性が増している一方で、テレビ中継が競馬へ行くよう促していることが明らかになった。
しかし、回答者の大多数は、入場料無料による競馬への誘引、騎手や調教師を頻繁に活字メディアで取り上げること、競走馬に接することのできる企画、審議レースをテレビ公開すること、競馬初心者への賭事ガイド、そして競馬場の判定写真画像の改善など、多くのRFCの提案を支持する一方で、競馬は少数派のスポーツになるだろうと感じている。
RFCのCEOであるロッド・ストリート(Rod Street)氏は、「これは一連の調査の第一段階で、基本的には一般論でありいくつかの基礎データを把握することを狙いとしています。それでも内容は洞察に富んだものとなっており、私たちの戦略的計画の一助となります」と語った。
そして次のように続けた。「調査結果により私たちは、特定の課題を詳しく調査する機会を得られます。私たちの最優先課題は、競馬の財政状況が困難を極めている現状における賭事行動パターンについてのより詳しい調査です」。
「もちろん、新規顧客を惹きつける一方で既存の顧客を引き留めておくバランスをとるために、競馬をやっていない顧客についての詳しい調査にも取り組んでいます」。
その他の調査結果
> > 多くの競馬ファンはすでに行きたいだけ競馬場に足を運んでいる。競馬場にもっと頻繁に行くための障害が入場料などの費用の問題であると回答したのは、1/3の人々に過ぎない。
> > 回答者たちは競馬が他のスポーツよりも価値があると考えている一方、競馬は新規顧客にとってもっと身近になるべきであるという意見があった。大多数の人々は、競馬が賭事に重点を置きすぎているという考え方に同意していない。
> > 競馬のテレビ放映を増やすことと、より競争が激しくより頻繁に一流馬が出走する競馬を提供することで、賭事客が増えるだろういう意見があった。
> > 馬主は、馬主となった主な理由は競馬と馬への愛情であるとしている。調査対象者の約半分の馬主にとって経済的見返りを受け取ることは重要な事柄であった。
By Graham Green
[Racing Post 2011年6月30日「Facilities and atmosphere highlighted in survey」]