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2011年12月16日  - No.24 - 4

2011年G1戦線でファーブル調教師が大活躍(フランス)【その他】


 フランスの平地競走最後のG1競走クリテリウムドサンクルーは、アンドレ・ファーブル(André Fabre)調教師とマキシム・ギュイヨン(Maxime Guyon)騎手コンビの2011年における圧倒的な勝利を決定づけた。

 フランスの年間競馬開催日程にはG1競走が27レースあり、そのうち8レースを制したアンドレ・ファーブル調教師は3分の1以上を制したことになる。同調教師は1992年にG1競走9勝を達成しているので、この記録がベストではない。しかし、G1競走に出走させた頭数をみれば、2011年の結果は並外れたものであることが分かる。同調教師は13頭の管理馬をG1競走に延べ20回出走させただけなのである。ゴールデンライラック(Golden Lilac)、メアンドル(Méandre)およびビーファビュラス(Be Fabulous)を管理した2011年において、40%の勝率と55%の3着内率を誇っている。したがってこの結果は、シャンティイの達人である同調教師がG1競走で勝率18%と3着内率38%を記録した1992年にも勝っている。調教師としての活動をモハメド殿下(Sheikh Mohammed)の所有馬を中心とするための過渡的段階であった2008年と2009年(いずれの年もG1を1勝しかしなかった)を経てその活動を結実させ、今年は英国ダービーも優勝したシャンティイの不死鳥ファーブル調教師は、2歳馬、3歳馬および古馬のいずれのG1においてもなくてはならない存在である。


ギュイヨン騎手は6勝

 マキシム・ギュイヨン騎手がその恩恵を大いに受けたことは間違いない。同騎手はG1を6勝し、それらはすべてファーブル調教師の管理馬に騎乗して手にした勝利である。これは今年の結果に満足しているはずのオリヴィエ・ペリエ(Olivier Peslier)騎手の4勝、フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手の3勝およびティエリー・ジャルネ(Thierry Jarnet)騎手の2勝を上回っている。


フランス調教馬が活躍

 フランスの調教技術の卓越性は評価に値する。信じられないような能力を持つデインドリーム(Danedream)に凱旋門賞を奪われたとしても、フランス調教馬はG1競走27レース中21レースを制しており、これは約5分の4を占めている。今年フランス国外で調教された馬がフランスのG1を勝利したのは、9月11日にエクセレブレーション(Excelebration)がムーランドロンシャン賞を制したのが初めてであった。これはフランス調教馬がG1競走22レースを制した2003年以来最高の記録である。シャンティイ拠点のフレディ・ヘッド(Freddy Head)調教師は4勝を挙げ(そのうち2勝はゴルディコヴァによるもの)、アラン・ド・ロワイエ-デュプレ(Alain de Royer-Dupré)調教師は2勝、ロベール・コレ(Robert Collet)調教師、エリー・ルルーシュ(Elie Lellouche)調教師、フランソワ・ドゥーメン(François Doumen)調教師およびニコラ・クレマン(Nicolas Clément)調教師はそれぞれ1勝であった。そしてフランス南西部拠点のクリストフ・フェルラン(Christophe Ferland)調教師は優良馬ダビルシム(Dabirsim)で2勝、ディディエ・ギユマン(Didier Guillemin)調教師が1勝でフランス調教馬の躍進に貢献した。

 

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2011年フランスのG1競走27レースの結果
開催日 競馬場 レース名 条 件 競走距離 優 勝 馬 騎 手 調 教 師 馬 主
4月30日 ロンシャン ガネー賞 4歳以上 2100m プラントゥール
(Planteur)
C・スミヨン E・ルルーシュ ウィルデンシュタイン社
5月15日 ロンシャン 仏2000ギニー 3歳 1600 m ティンホース
(Tin Horse)
T・ジャルネ D・ギユマン モラタラ侯爵夫人
5月15日 ロンシャン 仏1000ギニー 3歳牝 1600 m ゴールデンライラック
(Golden Lilac)
O・ペリエ A・ファーブル アメルランド牧場
5月22日 ロンシャン イスパーン賞 4歳以上 1850 m ゴルディコヴァ
(Goldikova)
O・ペリエ F・ヘッド ヴェルテメール兄弟
5月22日 ロンシャン サンタラリー賞 3歳牝 2000 m ウェイヴァリング
(Wavering)
M・バルザローナ A・ファーブル ゴドルフィン
6月5日 シャンティイ 仏ダービー 3歳 2100 m リライアブルマン
(Reliable Man)
G・モッセ A・ド・ロワイエ-デュプレ プライドレーシングクラブ
6月12日 シャンティイ 仏オークス 3歳牝 2100 m ゴールデンライラック
(Golden Lilac)
M・ギュイヨン A・ファーブル アメルランド牧場
6月26日 サンクルー サンクルー大賞 4歳以上 2400 m サラフィナ
(Sarafina)
C-P・ルメール A・ド・ロワイエ-デュプレレ アガ・カーン殿下
7月3日 シャンティイ ジャンプラ賞 3歳 1600 m ミュチュアルトラスト
(Mutual Trust)
M・ギュイヨン A・ファーブル アブドゥラ殿下
7月14日 ロンシャン パリ大賞典 3歳 2400 m メアンドル
(Méandre)
M・ギュイヨン A・ファーブル ロトシルト一族
7月31日 ドーヴィル ロトシルト賞 3歳以上 直線1600 m ゴルディコヴァ
(Goldikova)
O・ペリエ F・ヘッド ヴェルテメール兄弟
8月7日 ドーヴィル モーリスドゲスト賞 3歳以上 直線1300 m ムーンライトクラウド
(Moonlight Cloud)
T・ジャルネ F・ヘッド G・ストローブリッジ
8月15日 ドーヴィル ジャックルマロワ賞 3歳以上 直線1600 m イモータルヴァース
(Immortal Verse)
G・モッセ R・コレ R-C・ストロス
8月21日 ドーヴィル モルニー賞 2歳 直線1200 m ダビルシム
(Dabirsim)
F・デットーリ C・フェルラン S・スプリンガー
8月21日 ドーヴィル ジャンロマネ賞 4歳以上牝 2000 m アナウンス
(Announce)
M・ギュイヨン A・ファーブル アブドゥラ殿下
9月11日 ロンシャン ムーランドロンシャン賞 3歳以上 1600 m エクセレブレーション
(Excelebration)
J・スペンサー M・ボッティ マンフレディーニ&テイバー&スミス&マグニア
9月11日 ロンシャン ヴェルメイユ賞 3歳以上牝 2400 m ガリコヴァ
(Galikova)
O・ペリエ F・ヘッド ヴェルテメール兄弟
10月2日 ロンシャン カドラン賞 4歳以上 4000 m カスバーブリス
(Kasbah Bliss)
G・モッセ F・ドゥーメン H・ド・プラコンタル
10月2日 ロンシャン アベイドロンシャン賞 2歳以上 直線1000 m タンジェリントゥリーズ
(Tangerine Trees)
T-A・イーヴス B・スマート タンジェリントゥリーズ社
10月2日 ロンシャン マルセルブーサック賞 2歳牝 1600 m イルーシブケイト
(Elusive Kate)
W-T・ビュイック J・ゴスデン R・マグノリア・レーシング
10月2日 ロンシャン ジャンリュックラガルデール賞 2歳 1600 m ダビルシム
(Dabirsim)
F・デットーリ C・フェルラン S・スプリンガー
10月2日 ロンシャン フォレ賞 3歳以上 1400 m ドリームアヘッド
(Dream Ahead)
W-T・ビュイック D・シムコック K・ダスマル
10月2日 ロンシャン 凱旋門賞 3歳 2400 m デインドリーム
(Danedream)
A・シュタルケ P・シールゲン ブルクエバーシュタイン牧場
10月2日 ロンシャン オペラ賞 3歳以上牝 2000 m ナーレイン
(Nahrain)
F・デットーリ R-P・ヴァリアン モハメド殿下
10月23日 ロンシャン ロワイアルオーク賞 3歳以上 3100 m ビーファビュラス
(Be Fabulous)
M・ギュイヨン A・ファーブル ゴドルフィン
10月30日 サンクルー クリテリウムアンテルナシオナル 2歳 1600 m フレンチフィフティーン
(French Fifteen)
T・テュリエーズ N・クレマン R・トゥース
11月12日 サンクルー クリテリウムドサンクルー 2歳 2000 m マンディアン
(Mandaean)
M・ギュイヨン A・ファーブル ゴドルフィン 

 

  

[Paris Turf 2011年11月17日「Bilan des groups I en France en 2011−Incontournable André Fabre」]


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